平成25年6月愛西市議会定例会　招集挨拶並びに所信表明

　本日、ここに平成25年6月愛西市議会定例会をお願い申し上げましたところ、議員各位におかれましては、御多用の中、御出席を賜り厚く御礼を申し上げます。
　さて、今定例会には、人事案件を初め補正予算、条例改正などを御提案申し上げ、御審議をお願いするものでありますが、市長就任に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げ、市民の皆様方並びに議員各位の御理解、御協力を賜りたいと思います。
　このたびの市長選挙におきまして、市民の皆様方の御支援、御厚情を賜り、市政のかじ取りを努めさせていただくことになり、その責務の重大さを改めて感じているところでございます。
　また、就任早々に市役所各部の幹部との面会の機会を設け、所管事務や懸案事項について説明を受け、多くの課題があることを改めて実感したところでございます。批判を受けても進めるべきは進め、批判を受けてもとどまるべきはとどまるという初心を忘れることなく、これからの4年間、市政運営に取り組んでいく所存でございます。
　さて、我が国の経済状況を見ますと、長引く景気の低迷、少子・高齢化に伴う社会構造の変化や社会保障問題、そして東日本大震災による影響など、大変厳しい状況が続いております。国においては、社会・経済の構造改革が進められ、本市のみならず地方自治体の運営については、今後もさまざまな形で厳しい影響もあらわれてくると考えています。
　平成17年4月に4町村が合併し、愛西市が誕生して9年目、私といたしましては、前八木市長が旧町村の融和を図りながら市の礎を築いてこられたことに対し深く敬意を表し、「人々が和み、心豊かに暮らすまち」の実現に全力に取り組まれた姿勢は今後も継承していきたいと思っております。
そして、今日に至るまでさまざまな機会でお伝えさせていただきましたとおり、「決断と勇気の市政」を念頭に、将来の愛西市を見据え、まずは市の状況を把握し、事業・サービスの再検証を進めてまいりたいと考えております。
　新庁舎の建設につきましては、現状の分庁方式、分庁の機能を堅持しつつ現在のサービス提供や維持管理を考えますと、効率的ではなく、施設の老朽化、維持管理費もかさむこととなります。また、心配されます災害発生時の対応に瞬時に対応できない、災害の影響による対策機能の低下・麻痺により指令本部を立ち上げることができないなど、予期できないことが大変懸念されます。整備には多額の財源・資金を必要といたしますが、合併に伴う法律で定められました特例債は財政支援の一つであり、特例債を有効に活用することが本市にとって最善の選択であると考えております。庁舎の建設は、このたびの市長選挙の争点の一つでありましたが、私自身の考え方を多くの皆様方にお伝えし、御理解がいただけるよう努力してきたつもりでございます。建設しない決断は、将来へ建設を先送りするとの思いも伝えてまいりましたが、その思いに変わりはなく、議員の皆様方とも、今後も今まで同様の議論を深めながら、建設に向け準備を進めていきたいと考えております。
　市政の財政状況につきましては、私の議員時代からの考え方と同様、謙虚な認識に立ち、サービス・事業に対し円滑に予算配分がされるよう、また必要性の低いと考える事業に対しては削減するなどし、予算の適正化に努めていきたいと考えております。近い将来、地方交付税の見直しで本市の財源減少も十分考えられ、自主財源の確保が急務となってまいります。そのために、企業誘致を実現するため必要な施策を具体的に推し進め、次世代につながる本市の礎を築いてまいりたいと考えております。
　次に、市民の命を守るという大きな使命から、懸念されます大規模災害発生に備え防災教育を徹底し、危険を感じたら率先して逃げるという意識の徹底を図っていきたいと思っております。東日本大震災では、以前から子供たちに対し防災教育を徹底してきたことにより、子供たちの被害を最小限に防ぐことができたとも聞き及んでおります。本市においても、防災無線などハード面の整備も進めていますが、学校や地域において、まずはともに防災意識の徹底を図っていきたいと考えております。
　また、人は健康であってこそ生きがいのある活動・生活が可能になってまいります。それにはみずからの健康状態に関心を持ち、みずからがその健康状態を理解し、みずからに合った健康づくりに取り組むことが必要であると思います。現在行っている健康診断などを積極的に受けていただき、まずは市民の健康寿命を延ばす取り組みを行っていきたいと考えております。
　私は、ハスの花の香る愛西市の豊かな自然の中で育ち、幾多の災害を乗り越えてきた勇敢な歴史と、先人から脈々と受け継がれてきた文化に触れながら育ってまいりました。市政を預かる者として、愛西市のよき伝統を守りつつ、責任ある未来づくりを、未来に責任ある礎を築くという気概を胸に、誰もが住んでよかったと言われるまちづくりの実現に邁進していく考えでございます。
　ここに、市民の皆様方並びに議員各位におかれましては、ともにつくり上げる愛西市づくりに御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
　上程させていただきました各議案については、各担当部長から説明をさせていただきますので、慎重に御審議を賜りますようお願いを申し上げます。
　また、監査委員の選任など人事案件につきましては、本日御審査の上、御賛同いただきますよう、開会に当たり、挨拶並びに所信の一端を表明させていただきますので、よろしくお願いをいたします。

　　　　　　　　　平成25年6月10日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛西市長　日永　貴章