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平成28年3月愛西市議会定例会 招集挨拶並びに施政方針説明

更新日:2016年3月9日

本日ここに、平成28年3月愛西市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、年度末を控え何かとご多用にもかかわらずご出席を賜り厚くお礼申し上げます。
本年最初の定例会に当たり、平成28年度予算並びに関連諸議案のご審議をお願いするに際しまして、市政運営に臨む所信の一端を述べさせていただき、ご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

私が、市民の皆様にご信任をいただき、市長に就任してから2年9か月が経過し、間もなく4年任期の最終年度を迎えようとしています。
就任以来、将来の愛西市に責任ある礎を築くため、「すすめる決断」と「とどまる勇気」という基本姿勢で、本市が抱える多くの課題に対し、決して目を背けることなく、愛西市の未来づくりに全力投球してまいりました。今日まで市政運営を進められたことは、議員各位並びに市民の皆様の格別なるご理解とご協力によるものと、ここに改めて、深く感謝申し上げます。

我が愛西市は、平成17年4月に2町2村の合併により誕生し、現在、市制11年目に入っております。合併後、徐々に一体感が生まれつつありますが、確固たる礎を築くためには更なる努力が必要です。引き続き、全力でさまざまな課題解決に取り組み、自ら先頭に立って、「よりよい愛西市」づくりに邁進する決意であります。

先日、統合庁舎が完成し、いよいよ全面供用開始を迎えます。
市民の皆様が利用しやすく、気軽に立ち寄ることができる庁舎、また防災拠点として災害時も機能を維持して長く使い続けることが可能な庁舎であり、市民の皆様に愛される庁舎になることを期待しております。

また、統合庁舎の全面供用開始に併せて、組織機構の見直しを進めてまいりました。
愛西市自治基本条例の考えのもと、市民、地域等との協働の仕組みづくりを推進するための「市民協働部」や、福祉、保険、医療等について一体的なサービスを展開するための「健康福祉部」の設置など、市民ニーズに即応した行政サービスを展開できるよう、機能的で、分かりやすい組織・機構としました。

4月からは新組織のもと、業務の一体化、効率化を進め、更なる市民サービスの向上に取り組みます。
また、職員一人ひとりの公務能力を向上させ、組織全体として、より市民の皆様に、分かりやすい行政サービスを提供出来るよう努めるとともに、親しまれ、信頼される行政運営を目指し、今後も努力を重ねてまいります。

国の動きに目を向けますと、「地方創生」の推進や「国民総活躍社会」の実現など、少子高齢化・人口減少社会に向け、地域に活力を見出そうとしています。
少子高齢化の進行に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、首都圏への人口の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくための施策を総合的かつ計画的に実施することを目的とした「まち・ひと・しごと創生法」が制定されました。
「まち・ひと・しごと創生」の推進にあたり、地方公共団体は、地域の特性を生かした施策を主体的に実施していくことが、今後重要になってまいります。

本市においても、人口減少・少子高齢化の状況にあり、人口減少と地域経済縮小の流れに歯止めをかけ、市民の皆様が安心して暮らし続けることができるよう、『愛西市まち・ひと・しごと創生』に取り組んでいます。
「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、本市における人口の現状を分析し、今後めざすべき方向と、人口の将来展望を提示する「愛西市人口ビジョン」および、実施すべき施策・事業をまとめた「愛西市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を本年度中に策定します。
市の特長を活かし、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立するとともに、その循環を支える「まち」に活力を生み出していきたいと考えております。

また、来年度は、この度策定する「総合戦略」を推進するとともに、その地方創生の内容にも呼応した、平成30年度を初年度とする新たな総合計画の策定に着手いたします。第1次総合計画のもとに進めてまいりましたこれまでの愛西市政を振り返り、本市の将来像とまちづくりの基本方針を明らかにし、社会経済情勢の変化にも対応できる計画を検討してまいります。

地方分権の進展により、地方自治体の役割と責任が増大し、自治体は、自らの責任において行政経営を行うことが必要になってきました。そのような背景の中、昨年4月1日に愛西市自治基本条例を施行しました。
「人々が和み、心豊かに暮らすまち」愛西市を次世代に引き継ぐためには、行政のみならず、市民の皆様、そして愛西市に関わる全ての方々が、互いに尊重し、役割を分担し、公共的な問題の解決にあたる「協働のまちづくり」を進めなければならないと考えており、その仕組みづくりに少しずつ取り組んでいるところです。
「市民協働」を合言葉に、自ら行動できる地域づくり、人づくりを進め、また、市民の皆様に応分の負担をお願いしながら、市民と行政が一体となった「愛西市づくり」に真摯に向き合っていかなければならないと考えております。

財源確保、地域活性化の施策として、現在取り組んでおります「企業誘致」につきましては、昨年末から、県企業庁による南河田工業団地の造成工事が着手されました。今まで以上に着実に前進させられるよう取り組んでおります。
引き続き、造成工事、インフラ工事が順調に推進されるよう関係機関と協力していくと共に、市内の雇用に対するニーズにお応えできるよう、企業誘致に向け、積極的にPR活動などを行っていきたいと考えております。
今後は、周辺環境との調和を図りつつ、本市の産業活性化を担う新たな産業拠点となる工業地の形成に努めてまいります。

次に、平成28年度予算編成についてであります。
この度の予算編成につきましては、私のマニフェストであります「将来展望」・「防災について」・「医療・介護の徹底」の3つを柱にして、行政改革第3期推進計画で定めた「一般会計予算を190億円規模」とする目標を踏まえ、財源の積極的な確保を図るとともに、不要不急の経費の削減、事務事業の見直しなど歳出の抑制に努め、本市の現状と将来を見据えた行財政改革を進め、議員各位や市民の皆様方からのご意見などを検討し、「持続可能な愛西市」づくりのための編成とさせていただきました。

1つ目の「将来展望」につきましては、
本市を取り巻く状況は、少子高齢化・人口減少が進行し、支える側の生産年齢人口は減少し、支えられる側が増加しており、自主財源が乏しく、歳入を地方交付税などの依存財源に頼っている状況であります。
国において、地方交付税改革が進められその規模の縮小が図られており、今後、更に財政の厳しさを増すことが予想されます。また、合併によるメリットである「合併算定替」が終了し、平成28年度からは、地方交付税の段階的な縮減期間に入ることから、今後、歳入減少に対する対策が急務となっております。

この状況を打開し、愛西市が持続可能な市であり続けるためには、現状を十分に把握し、将来を見据えた計画づくりが必要となってまいります。
また、前例にとらわれることなく、事務事業等の見直しを引き続き進めなければなりません。
今年度、「公共施設の使用料」及び「各種補助金等」の見直し作業に取り組んでおります。見直しにあたっては、広報や全戸配布チラシ、団体説明やパブリックコメントにより、市民の皆様にご説明させていただき、ご意見をいただきながら進めてまいりました。
現在、平成28年度と29年度を計画期間とする行政改革第4期推進計画の作成を進めております。第4期推進計画では、取組項目を大幅に拡充し、全庁を挙げて行政改革を推進してまいります。
来年度も引き続き、予算規模の適正化を最優先とした事業・サービスの見直しを行い、予算を削減しながらも、サービスは低下させないという、大変難しく厳しい取り組みに全職員が結束し、総力をあげて邁進いたします。
同一目的やニーズ変化による事業の統合や終了なども視野に入れた各事務事業の見直しに取り組み、「あれもこれも」から「あれかこれか」の意識改革を行ってまいります。
目まぐるしく変化する社会情勢に柔軟に対応できる先見性と豊かな発想力を備えて、スピード感のある市政運営を行い、持続可能な愛西市づくりに努めてまいります。
また、市のイメージアップを図り、住みたいまち、行ってみたいまちに選んでいただけるように、他に誇れる優れた事業のアピールも積極的に行ってまいります。
特に、現在力を入れており、一定の評価をいただいている子育て支援事業につきましては、「愛西市子育て応援プラン」を策定し、新たな施策に取り組むとともに、現在、実施中の充実した子育て支援事業を市内外に積極的にアピールしてまいります。

行政改革の一環として「公共施設の在り方」の検討にも取り組んでおります。
本市の公共施設は、全体的に老朽化が進んでおり、将来に向けて施設の管理、大規模改修、建替え等に多額の費用が必要となるという大きな問題を抱えています。この施設の更新等に必要な費用は、現状の財政状況で対応できる範囲を大きく超える見通しであり、このまま対策を取らなければ、近い将来において施設運営や行政サービスの提供に大きな支障が生じることは明らかです。
先ほども申し上げましたとおり、本市の財政状況は大変厳しい状況にある中で、施設運営経費、改修経費及び将来的な更新費用の面から、公共施設の見直しは重要課題であると認識しております。今後も行政サービスを安定的に提供していくためには、中長期的な視点に立って今後の公共施設のあり方について検討し、次世代へ過度な負担を残すことは避けなければなりません。
特に、合併以前に整備した施設の中には重複しているものもあるため、一定の期間を設けて統廃合を進め、本市に見合う施設規模にしていく必要があります。
このような背景から、現在、「公共施設等総合管理計画」の策定を進めているところであります。公共施設等の全体を把握し、長期的な視点をもって、公共施設等の更新、統廃合、長寿命化などを効率的かつ計画的に行うことにより、財政負担の軽減、平準化をするとともに、最適な配置の実現を推進し、市民福祉の向上を図ってまいります。

教育委員会におきましては、子ども達により良い教育環境を提供するため、「小中学校の適正規模等」について、検討を進めております。
本年度は、小中学校適正規模等検討協議会を設置し、昨年度に策定しました「愛西市立小中学校適正規模等基本方針」に基づいて「基本計画」の策定を進めております。策定を進めるにあたっては、昨年10月から11月にかけ市内各地区で地域懇談会を実施し、市の基本方針をお伝えするとともに、市民の皆様のご意見や地区ごとに抱える課題を伺う機会を設けました。
来年度は、「基本計画」策定に向けて、協議会においても更に具体的な議論を進めていきます。地域の皆様と学校、行政が互いに協力することで児童生徒にとって何が一番必要かを考えていかなければならないと考えております。
今後も引き続き、市民の皆様のご協力のもと、十分に検討しながら、将来を見据えた計画づくりを進めてまいります。

2つ目の「防災」につきましては、
東日本大震災から間もなく5年が経過しようとしております。被災地では、公共インフラの復旧は進んでいる一方で、未だに多くの人々が、仮設住宅などでの不自由な暮らしを強いられているなど、まだまだ元の生活を取り戻せずにいると聞きます。
毎年、全国各地で頻発する自然災害ですが、昨年も、関東・東北地方において記録的な大雨により河川が氾濫するなど、甚大な災害が発生しました。
過去の災害の経験と教訓を忘れてはなりません。
幸い、私どもが暮らすこの地域では、長年、大きな災害は発生しておりませんが、大規模・多様化する災害に対して、備えなければなりません。
南海トラフを震源域とする巨大地震の発生が危惧されておりますが、これまでの教訓から、ひとたび災害が発生しますと、被害は一自治体だけでは終わらず、避難、救助等広域的な対応が行政に求められることは必至であります。今後、中長期を見据えた広域的総合防災体制の構築を図っていくため、組織改編及び統合庁舎への職員の集約に伴う防災体制を再構築し、災害対応力の体制強化を進めていきたいと考えております。
また、新聞報道等もされました、旧永和荘用地が県の広域防災拠点の整備候補地として選定されたところであります。
木曽三川下流部における浸水被害からの広域的な救助活動に主眼をおいた拠点としての役割を担うものであり、本市としましても、県との連携を密にし、この拠点施設の整備が順調に進みますよう、できる限りの協力を行ってまいりたいと考えております。
一方で、このような行政による対策、いわゆる「公助」だけで災害による被害を最小限に抑えることはできません。
今年度のタウンミーティングでは、昨年のアンケート結果を参考にし、関心の高かった防災についてのお話させていただき、共に考える機会をもちました。
災害時に最も重要で大切な事は、市民一人ひとりが、「まずは自分の身は自分で守り」、「自分たちの地域は、自分たちで共に助け合い守る」という、「自助・共助」の意識を持ち、行動することと考えております。自然災害の発生を止めることはできませんが、事前に防災対策をしておくことで、被害を軽減させることはできるはずです。
今年度、完成します「地震防災マップ」を活用した啓発事業や、地区防災訓練の支援など「自助・共助」を後押しする取り組みを進めております。また、大規模地震発生後の浸水被害から市民の命を守るため、市民の皆様一人ひとりが主体的に迅速かつ適切に避難行動がとれることを目指して、来年度に、「津波避難計画」の策定に着手いたします。今後も引き続き、これらの取り組みを通して「自助・共助」の精神をより強固なものとし、いざというときに行動できる地域づくりに市民の皆様と共に、災害犠牲者ゼロを目指して取り組んでまいりたいと考えております。

3つ目の「医療・介護の徹底」につきましては、
健康寿命の延伸に取り組み、市民の皆様が、健康に生活できる愛西市を目指しております。
本市の死因第1位であるがんの早期発見・早期治療を図るため、がん検診の受診率向上の取り組みに引き続き力を入れてまいります。本市においても乳がん、子宮がんは若い世代に発見されておりますが、受診率が低い現状を踏まえ、平成28年度は乳がん、子宮がん検診の受診率の向上に重点を置き、「女性検診日」を創設し、受診しやすい体制づくりを進めていきます。
また、健康づくりに取り組みながらポイント(マイレージ)を貯め、一定のポイントを貯めることにより特典が受けられる「あいさい健康マイレージ事業」を昨年度より行っています。この事業により、検診受診者の拡大と定着化につなげていくとともに、市民、事業所等の協力も得て、地域ぐるみで健康づくりに取り組む環境づくりを進めてまいります。
今後も、市民の皆様方一人ひとりが、いつまでも健康に生き生きと暮らせるために、自らの健康状態を把握できる体制づくりを進めてまいりたいと考えております。

以上、3つのマニフェストを柱に、地方交付税の減額等、本市を取り巻く厳しい財政状況の中にあっても、市民の負託にこたえるため、歳入では、交付税や国・県補助金など財源確保に努めるとともに、歳出では、「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」という視点で、事務事業の見直し及び重点化、効率化を図り、「持続可能な行政運営」を念頭に、平成28年度予算編成作業に取り組んだところであり、一般会計予算は190億円規模となっております。
行政のみではなく、市民と行政が協働して「よりよい愛西市」を目指し、将来の愛西市に責任ある礎を築くため、「すすめる決断」と「とどまる勇気」との基本姿勢で、市政運営を進めていきたいとの考えを申し上げ、所信の一端を述べさせていただきました。

なお、本定例会に上程させていただいております、平成28年度当初予算につきましては、一般会計・特別会計などを合わせた予算総額は373億2,504万9,000円で、前年比3.2%の減となっております。一般会計予算では199億4,800万円で前年比6.4%の減となっております。予算の詳細につきましては、概要書に記載しておりますのでご覧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

今後も、「よりよい愛西市」の実現のため、議員各位、ならびに市民の皆様の一層のお力添えをお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

  平成28年2月23日

                        愛西市長 日永貴章