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令和3年6月愛西市議会定例会 招集挨拶並びに所信表明

更新日:2021年6月7日

 本日ここに、令和3年6月愛西市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変ご多忙の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。

 今定例会におきましては、専決処分事項について報告し承認を求めるほか、条例の全部改正や一部改正、補正予算、人事案件などを御提案申し上げ、御審議をお願いするものでありますが、それに先立ちまして、市長再任に当たり、今後の市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、市民の皆様、並びに議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 去る4月18日の市長選挙におきまして、市民の皆様の御信任をいただき、引き続き4年間、市政運営を担当させていただくこととなりました。改めてその重責に身が引き締まる思いであります。
 これまでの8年間、政治理念である「すすめる決断」、「とどまる勇気」に基づき、市政の課題に真正面から向き合い、絶え間なく改革を実行することで、愛西市に「責任ある礎」を築いてまいりました。
 新たな任期の4年間におきましても、この政治理念を貫き、市民の皆様からの信頼と期待にしっかりと応え、愛西市のさらなる発展に向けて、全力で市政運営に取り組んでまいる所存であります。

 さて、本市を取り巻く状況を見ますと、我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にあります。先行きにつきましては、感染再拡大に伴う外出の自粛が個人消費を下押しするなど、昨年度の落ち込みをすぐには取り戻せない見通しであり、景気の持ち直しが明確化するのは、高齢者を中心にワクチンの接種が進む秋以降となる見込みであるなど、不透明感が強い状況です。
 本市の財政状況につきましても、市税の大幅な減収が見込まれる一方で、扶助費が増加を続けるなど、より一層厳しい財政状況が見込まれます。
 こうした状況を踏まえ、歳入面では、国や県の補助金などの財源確保に一層努めることはもちろんですが、市の自主財源の拡充・強化につながる取組を推進していきます。
 また、歳出面では、各種事業・サービスについての検証・見直しに引き続き取り組むとともに、公共施設の計画的な維持管理に努めてまいります。

 「ひと・自然 愛があふれるまち」を将来像として、平成30年3月に策定しました「第2次愛西市総合計画」につきましては、令和7年度までの8年間が計画期間で、今年度は前期基本計画の最終年度となります。
 つきましては、令和4年度から令和7年度までの4年間を計画期間とする後期基本計画を今年度策定します。
 これまでの愛西市政を改めて振り返るとともに、この間の社会情勢・経済情勢の変化、また、SDGsへの対応などを踏まえ、これから10年先、20年先の愛西市を見据え、計画の策定を行ってまいります。
 総合計画を力強く推し進めるためには、行政運営のベースとなる行政改革の取組も重要でございます。
 総合計画と同じ平成30年3月に策定しました第2次行政改革大綱につきましても、今年度計画期間の満了を迎えます。
 市の現状をしっかりと把握し、各種事業やサービスの検証を行ってきた結果も踏まえ、新たな行政改革の方向性を定めてまいります。
 将来の愛西市をイメージしながら、総合計画と行政改革大綱の両輪をさらに磨き上げ、各種施策を展開していきたいと考えております。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、全世界で未だ収束の兆しが見えておりません。我が国においても、ここへ来て再び全国的に拡大しており、本県では今月12日から緊急事態宣言の対象区域に追加されるなど、非常に厳しい状況が続いております。
 本市におきましては、新型コロナウイルスワクチン接種推進室を2月に立ち上げ、接種体制を整備し、今月から接種を開始したところです。
 接種を希望する市民の皆様が一日も早く接種を終えられるよう、県とも緊密に連携しながらワクチンの確保に努め、安全かつ迅速なワクチン接種を進めてまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症は、市民の皆様の生活に依然として様々な影響を及ぼし続けております。
 本市では、これまでも非常に多くの新型コロナウイルス感染症対策事業を実施してきたところですが、今後もウイズコロナ、アフターコロナ社会を見据えた様々な施策を展開してまいります。

 さて、今回の市長選挙では、市民の皆様に、私が思い描く今後の愛西市のまちづくりをお示しさせていただきました。
 これまで進めてきた取組を、さらに加速するため、今後は、5つの柱によりまちづくりを進めてまいります。
 その柱に沿って私の思いを述べたいと思います。

 第一の柱は、「協働によるまちづくり」です。
 言うまでもなく、市の様々な課題は、私一人や職員の力だけで解決できるものではありません。
 議員各位をはじめ、市民、団体、関係者の皆様による世代を超えた御理解・御協力がこれからも必要であります。
 地域コミュニティの充実を図り、皆様の知識や知恵を存分に活かしながら、市民一人一人が主役となるまちづくりを進めていきます。

 第二の柱は、「安心・安全なまちづくり」です。
 海抜ゼロメートル地帯に位置する本市にとりまして、防災は最重要課題の一つであります。
 行政として、いざという時の備えや治水対策などを計画的に進めていくことはもちろんですが、全ての市民の皆様に「逃げる」という意識を常に持っていただくなど、自助・共助の重要性を改めて認識していただき、自主防災組織を中心に本市の防災力を更に高めていきます。
 また、お年寄りも若い人も、障害のある人もない人も、性別にかかわらず、働き、集い、暮らせる、人に優しい、安心・安全なまちづくりを実現していきます。

 第三の柱は、「心身ともに健やかなまちづくり」です。
 改めて申し上げるまでもなく、市民の皆様にとりまして、健康は、かけがえのない財産です。健康こそが本市の原動力であります。
 市民の皆様が、生涯を通して健康でいきいきと暮らせるよう、自らの健康状態をいつでも把握できる体制の整備や、運動習慣の定着を推し進めていくとともに、子ども、子育て世帯、障害者や高齢者など、支援を必要とする市民の皆様を、地域全体で支えられる愛西市づくりに取り組んでまいります。

 第四の柱は、「活力ある快適なまちづくり」です。
 本市におきまして、農業は重要な産業の一つであります。今後、本市における農作物の地域ブランド化に向けて検討を進め、新鮮で安心・安全な農作物を提供する場の創出を行ってまいります。
 また、市内の産業をより一層活性化するため、意欲ある市民や企業の皆様に対して積極的に支援を行っていくほか、全区画を完売することができました南河田工業団地に次ぐ新たな工業団地の整備に取り組むなど、戦略的な企業誘致を進めてまいります。
 観光振興の面では、「道の駅 立田ふれあいの里」を観光拠点として、市内外から多くの方が訪れる魅力あるまちとなるよう、観光振興にも引き続き取り組んでまいります。

 第五の柱は、「学びを支えるまちづくり」です。
 将来を担う子どもたちの健やかな成長のために、引き続き様々な施策を展開してまいります。
 小・中学校の適正規模・適正配置につきましては、市の教育委員会と市民の皆様がしっかりと議論を進め、子どもたちにとっての最適な環境を見つけていかなければなりません。
 また、老朽化が進む学校施設につきまして、国や県の補助金など財源をしっかりと確保した上で、計画的に長寿命化や更新を行い、子どもたちの教育環境の整備・充実を図るとともに、個々に寄り添いながら自ら学ぶ姿勢を育む教育を推進してまいります。
 さらに、市民の皆様一人一人が豊かな人生を送ることができるよう、生涯を通して学び、スポーツに親しむことができる環境を整備していきます。

 以上、私が今後進めていくまちづくりの5つの柱の概略を述べさせていただきました。
 この5つの柱でまちづくりを進めていくわけですが、さらに未来へつながる愛西市とするためには、「新しい生活様式」という視点でのまちづくりが必要であります。
 「新しい生活様式」は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために、国の専門家会議が提言したものではありますが、この視点を今後のまちづくりの様々な施策に取り入れていくことで、持続可能な愛西市につながっていくものであると確信しております。
 既に、市の広報紙をパソコンやスマートフォンなどで閲覧できたり、この4月からは、税金などの納付をキャッシュレスで決済できるようにするなど、これまでも行政のデジタル化に取り組んでいるところですが、市民の皆様の利便性の向上や、多様化するニーズに応えていくためには、AI、RPAなどのICTを今後も積極的に活用していく必要があります。
 市役所に行かなくても、また、24時間いつでも必要な手続を行うことができたり、市民の皆様からの問い合わせに応じられるサービスを拡大していくなど、更なる行政サービスの向上に努めてまいります。
 一方で忘れてはならないのは、様々な行政サービスを提供するのは、機械ではなく、人であります。市民の皆様と職員とのコミュニケーションは、行政サービスの根幹であります。全職員が市民の皆様の目線に立ち、温かみのある行政サービスを提供してまいります。

 4町村が合併し、愛西市が誕生して16年が過ぎましたが、依然として解決すべき多くの課題があります。
 先ほども申しあげたとおり、こうした課題を解決していくことは私一人ではできません。これまでの8年間、議員各位をはじめ、市民、団体、関係者の皆様の知恵と経験を共有し、議論をしながら、様々な課題を解決して参りました。
 そしてこれからの4年間も、先頭に立って、皆様のお力をお借りしながら、各種施策の取組を更に加速し、全力で市政運営に当たって、様々な課題を乗り越えていきたいと考えており、重ねて市民の皆様、並びに議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 さて、今定例会に御提案申し上げます議案につきましては、繰越明許費繰越計算書の報告1件、専決処分事項の承認2件、条例の全部改正1件、条例の一部改正2件、補正予算3件、人事案件3件の計12件であります。
 このうち、一般会計補正予算は、第2号と第3号の2本立てとなっております。令和3年度当初予算につきましては、行政運営の基本となる義務的経費を中心とした「骨格予算」でお認めをいただいておりますので、これらの補正予算は、「肉付け予算」となります。
 なお、一般会計補正予算(第1号)につきましては、後ほど報告させていただきますが、国が実施する新型コロナウイルス感染症対策事業として実施する、低所得のひとり親世帯向けの給付金の支給に必要な予算として、本年4月9日に専決処分を行っているところです。
 一般会計補正予算(第2号)につきましては、早期に承認をいただきたいものでございますが、新型コロナウイルス感染症への緊急対応事業として、昨年度も実施しましたプレミアム付商品券事業の実施や、避難所等における蓄電池や太陽光パネルの整備、本年4月から始めましたキャッシュレス決済における決済手段の拡充、小中学校の給食費の無償化に必要な予算などを計上しております。
 その他に、立田中学校体育館の空調設備を緊急に修繕するための予算と、児童発達支援センター設立準備事業に関する繰越明許費を計上しております。
 次に、一般会計補正予算(第3号)につきましては、先ほどの新型コロナウイルス感染症への緊急対応事業などを除いたものとなりますが、先ほど申し上げました総合計画の後期基本計画の策定を始め、新たな工業団地の整備に向けた工業系地区計画の策定や、藤浪駅前広場の改修計画の策定に必要な予算などを計上させていただきました。
 その他に、公共施設の維持更新費用としまして、中央図書館、文化会館、総合斎苑、八開総合福祉センターの各種修繕や、旧農村環境改善センター解体工事に必要な予算などを計上いたしております。
 今回お認めいただきたい補正予算は、一般会計で、専決分を合わせて538,155千円でありまして、当初予算と合わせますと23,078,155千円となります。
 この他に、水道事業会計についても補正予算を計上しております。
 以上、今定例会にお諮りいたします議案の主な内容について述べさせていただきましたが、各議案とも十分な御審議を賜りますようお願いを申し上げます。

 今後も持続可能な愛西市を実現するべく、市民の皆様、並びに議員各位の一層のお力添えをお願いいたしまして、招集あいさつ並びに所信表明といたします。

令和3年5月28日
                           愛西市長 日永 貴章