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令和4年3月愛西市議会定例会 招集挨拶並びに施政方針説明

更新日:2022年3月3日

 本日ここに、令和4年3月愛西市議会定例会を招集申し上げたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変御多忙の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 本年最初の定例会において、令和4年度当初予算並びに関連議案のご審議をお願いするに際し、市政運営に臨む所信の一端を述べ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 昨年の市長選挙において市民の皆様方から再び愛西市の市政運営をお任せいただき、まもなく1年が経過しようとしています。
 3期目におきましても、これまでと変わることなく、政治理念であります「すすめる決断」と「とどまる勇気」を貫き、市民の皆様からの信頼と期待にお応えできるよう、愛西市のさらなる発展に向けて、全力で市政運営に取り組んでいるところでございます。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、全世界でいまだ猛威を振るい続けております。昨年のこの時期は、第3波の収束に向けて、愛知県厳重警戒措置が実施されていたところでございますが、その後も第4波、第5波が押し寄せ、今年1月下旬以降、新規陽性者数が連日過去最多を更新する日が続くなど、第6波の大きな波が我々を襲い続けております。
 本市におきましては、市内の医療機関とも連携しながら、集団接種と個別接種を併用し、安全かつ迅速なワクチン接種を進めてまいりました。
 3回目のワクチン接種につきましても、同様の接種体制を整え、順次市民の皆様に御案内しているところでございます。
 今後も、ワクチン接種を希望する市民の皆様が一日も早く接種を終えられるよう、県と緊密に連携し、必要なワクチンの確保に努めながら、接種を推進してまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症は、市民の皆様の生活に依然として様々な影響を及ぼし続けております。
 本市では、これまで多くの新型コロナウイルス感染症対策事業を実施してきたところでございますが、令和4年度におきましても、国の交付金を活用し、引き続きウイズコロナ、アフターコロナ社会を見据えた様々な事業を展開してまいります。

 「ひと・自然 愛があふれるまち」を将来像として、平成30年3月に策定しました、「第2次愛西市総合計画」につきまして、この4月からは後期基本計画がスタートいたします。
 計画期間は、令和4年度から令和7年度までの4年間で、これまでの社会情勢・経済情勢の変化やSDGsの視点などを踏まえ、これから10年先、20年先の愛西市を見据えながら、計画の策定を行ったところでございます。
 この後期基本計画につきましては、本定例会に上程させていただいており、後ほど担当部長から説明させていただきます。
 また、新たに策定します第3次愛西市行政改革大綱もスタートします。
 これらの総合計画と行政改革大綱を両輪として、力強く愛西市を前に進めていきたいと考えております。
 改めて申し上げるまでもなく、これらの計画・大綱は、策定して終わりというものではありません。
 市政運営の一端を担う市職員一人一人が、これらの計画・大綱を十分に理解した上で、今後我々が目指す10年先、20年先の愛西市の姿を実現するために、今何ができるか、何をしなければならないかを常に考え、行動に移すことが重要です。
 これまでの価値観、前例、自治体間の横並び意識などにとらわれることなく、柔軟な視点、チャレンジ精神をもって、職員それぞれが持つ力を十分に発揮し、持続可能な愛西市づくりに積極的に取り組んでまいります。

 それでは、令和4年度当初予算編成について申し上げます。
 我が国の経済は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響の下にあるものの、令和3年9月末の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の解除以降は、厳しい状況は徐々に緩和されており、このところ持ち直しの動きがみられます。
 ただし、オミクロン株を含めた新型コロナウイルス感染症による内外経済への影響、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があるなど、不透明感が強い状況でございます。
 本市の財政状況につきましては、今年度に比べ、税収の伸びが期待できるものの、社会保障関係経費はそれを上回る形で増加するなど、依然として厳しい財政状況が続くことが見込まれます。
 こうした点を踏まえ、歳入面では、国や県の補助金などの情報収集に努め、財源の充実を図っていくとともに、市の自主財源の拡充・強化につながる取組を更に推進していきます。
 特に、ふるさと応援寄附金、いわゆる「ふるさと納税」は、年々増加しております。歳入の増加という面だけでなく、愛西市を対外的にPRできる絶好の機会として捉えていきたいと考えております。
 歳出面では、新たに策定します第3次愛西市行政改革大綱に基づき、各種事業・サービスについての検証・見直しに引き続き取り組むほか、公共施設の統廃合や計画的な維持管理、民間活力の活用などにより、歳出の縮減に努めてまいります。
 歳出の削減に努める一方で、10年後、20年後の愛西市を見据えた取組につきましては、積極的かつ大胆に進めていきたいと考えております。 

 続きまして、令和4年度当初予算の主な内容について、大きく分けて6つのまちづくりの視点により順に説明してまいりたいと存じます。

 第一は、「協働によるまちづくり」です。
(地域コミュニティの充実・豊かさを実感できる環境整備)
 多様化する市政の課題や市民ニーズに対応していくためには、市民の皆様を始め、自治会、各種団体、事業者などの地域コミュニティと行政が、世代を超えて一体となってまちづくりを進めていかなければなりません。
 地域コミュニティが実施する公益的な活動を支援し、その活性化を図るとともに、その自立を促進していくことで、市民主体の地域づくりを進めていきます。
 また、外国籍の市民の皆様にとっても住みやすいまちでなければなりません。「日本語教室おしゃべりひろば」は、この地域に定住する外国籍の人々との多文化共生の実現を図ることを目的として、ボランティアの皆様の御協力により、平成22年から始めておりますが、これまでの功績が、公益財団法人愛知県国際交流協会に認められ、令和3年度国際交流推進功労者表彰団体の部を受賞しました。今後も、地域の皆様と連携し、国際交流の輪を広げていきたいと考えております。
(市民の誰もが主役)
 昨年は、一昨年に引き続き、市民が主体となるイベントの多くが中止となりました。現在も見通しがつかない状況は続いておりますが、感染防止対策を十分行った上で、あいさいさん祭り、納涼祭、あいさい音楽祭、市民体育大会などのイベントが開催できるよう、準備を進めてまいります。
 また、市が将来にわたって活力を維持していくためには、次世代を担う若者の意識を育み、高めていくことが大切です。本市では、官学連携事業として、市内の高等学校3校と連携し、それぞれの学校の特色に応じた取組を進めております。
 清林館高校につきましては、官学連携事業「愛西市活性化プロジェクト」として、若い世代と一体となったまちづくりをテーマとした取組を、佐屋高校には、道の駅「立田ふれあいの里」のさらなる活性化に向けた取組を、愛西工科高校には、「ものづくりの楽しさ」を伝える取組をそれぞれ行っていただいております。令和4年度におきましても、それぞれの学校の良さを生かした取組を一緒に行ってまいります。

 第二は、「安心・安全なまちづくり」です。
(防災・減災対策の推進)
 いつ起こるか分からない地震、台風、豪雨などの自然災害に対し、「身を守る」「逃げる」といった行動を取るためには、事前の備えが欠かせません。
 いざという時に、迅速かつ適切な行動がとれるよう、多くの市民の皆様や関係団体などと連携して愛西市総合防災訓練を実施します。さらには、自主防災組織が行う防災訓練の実施や資機材の購入を支援していくことで、市全体の防災力を高めていきます。
 また、大規模な災害の発生が予想されるときは、市内の避難場所への避難だけではなく、市外への広域避難も視野に入れていく必要があります。今後も、国や県、周辺市町村とも連携しながら、市民の皆様の命を守る具体的な取組を検討していきます。
 現在、旧永和荘の跡地で整備が進められております、広域防災活動拠点につきましては、令和4年度中の供用開始に向け、建物の建築が行われております。整備後の運用等について、引き続き県と調整を続けてまいります。
 災害に備えた備蓄として、食糧、水、紙おむつ、粉ミルク、生理用品などの非常用備蓄品を、引き続き計画的に確保していきます。
(安心して暮らせる社会の実現)
 昨年は、市内におきまして残念ながら2件の交通死亡事故が発生しました。人の命よりも大切なものはありません。交通事故の被害者・加害者にならないよう、津島警察署、交通安全協会、女性交通安全友の会などと連携し、若年層への交通安全教育や街頭啓発活動などを通じて交通安全の意識の醸成に努めてまいります。
 また、自転車事故の被害を軽減するため、ヘルメットの着用や損害賠償保険の加入を呼びかけていきます。
 そのほか、通学路を始め、市内各所にカラー塗装、防護柵、カーブミラーなどを引き続き整備し、交通事故を起こさない、起こさせない、安心で安全なまちづくりを進めていきます。
 また、令和4年度で計画期間が満了する愛西市環境基本計画について、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目指して、新たな計画の策定を進めてまいります。
(治水対策の推進)
 長雨や台風、また、近年頻発する局地的な集中豪雨などに備えていくため、県とも連携しながら、排水機や排水路の整備を計画的に行い、水害に強い地域づくりを進めていきます。 

 第三は、「心身ともに健やかなまちづくり」です。
(生涯いきいきと暮らせる健康づくりの推進)
 市民の皆様にとりまして、健康は、かけがえのない財産です。健康こそが本市の原動力であります。
 乳幼児健康診査やがん健診を始めとする各種健診事業として、ライフステージに合わせて各種の健診を実施し、自らの健康状態を把握できる体制を整備していきます。
 また、高齢者肺炎球菌の予防接種を始め、各種の予防接種につきましても、対象の市民の皆様に御案内し、病気を自発的に予防する取組を促していきます。
 そのほかにも、「住むと健康になるまちづくり」をコンセプトとして、活動量計を活用したバーチャルウォーキングや、「あいさい野菜メニュー提供店」を歩いて回るスタンプラリーを開催し、市民の皆様が運動習慣をつけるためのきっかけづくりにしていきたいと考えております。
(子育て支援の充実)
 次に、子育て支援に関する取組として、まずは、子ども医療費の助成です。本年4月からは、中学校卒業後から18歳の年度末までの方の通院費全額を新たに助成の対象とし、窓口負担をゼロといたします。
 また、愛西市独自の制度として行う、幼稚園、保育所等に通う児童の副食代に対する補助を引き続き行っていきます。
 そのほかにも、妊娠から出産、その後の育児に至るまで、切れ目のない支援体制を充実させていくとともに、一般不妊治療や不育症治療に対する補助を行うなど、お子さんを望むご夫婦に対する支援も継続していきます。
(障害・高齢者福祉の充実)
 これまで準備を進めておりました「発達支援センター」は、本年7月の開所を予定しております。この発達支援センターを拠点として、児童発達支援事業、地域支援事業、保育所等訪問支援事業、相談支援事業の4つの大きな事業を順次展開してまいります。
 また、ご高齢の方が、免許返納などによって移動手段が制限されることなく安心して快適に暮らしていただくため、引き続き80歳以上のすべての市民の皆様を対象に、福祉タクシーの料金助成を行います。

 第四は、「活力ある快適なまちづくり」です。
(農業の振興)
 本市におきまして、農業は重要な産業の一つであります。農業従事者の高齢化が急速に進む中、持続可能な力強い農業を実現するためには、新規就農者や経営継承者の増加や、農業経営の近代化・集約化を図っていく必要があります。
 令和4年度におきましても、引き続き、国、県、団体など関係機関と連携を取りながら、農業従事者の生産意欲の向上や経営の安定化につながる施策に取り組んでまいります。
 また、近年の暖冬によって、カメムシによる農作物の被害も続いております。今年度に引き続き、カメムシ防除対策に係る取組を支援いたします。
(商工業・観光の振興)
 市内の産業のより一層の活性化に向けて、商工会と連携し、中小企業の経営安定に向けた支援を行っていきます。
 また、観光施策として、本市の観光拠点である「道の駅 立田ふれあいの里」につきまして、都市公園が併設された新たな道の駅として令和8年度に全面供用開始できるよう、計画的に事業を進めてまいります。
 令和4年度につきましては、観光案内所の建築工事、現在の道の駅の管理事務所、トイレ、フードコート、産直施設、駐車場などの再整備に向けた実施設計、都市公園の整備に向けた実施設計、都市公園用地の購入を行っていきます。
(計画的なまちづくりの推進)
 これまで地元の皆様や関係機関と進めてまいりました、名鉄佐屋駅の周辺整備に関しまして、令和4年度は、整備に向けた用地の購入を行うとともに、基本方針、施設計画の概要などを取りまとめていきます。
 市民の皆様の足として利用していただいている巡回バスにつきましては、公共施設や公共交通機関等を結ぶ市内8ルートを引き続き運行してまいります。
 また、産業の集積による雇用の創出や、安定的な税収の確保による市民生活の充実を図るため、弥富インター周辺部において、その受け皿となる新たな工業用地を創出し、企業誘致に取り組んでまいります。
 令和4年度は、開発計画をより具体化するための調査業務を行うとともに、地区計画案をまとめていく作業などを引き続き進めてまいります。
 そのほか、渕高地区で進めております都市基盤整備につきまして、令和4年度は、公園用地に必要な用地の購入と、公園の整備工事を行ってまいります。 

 第五は、「学びを支えるまちづくり」です。
(多様な学びを促す教育環境)
 小・中学校の適正規模・適正配置につきましては、昨年12月に教育委員会が立ち上げた小中学校適正規模適正配置等検証委員会での議論を踏まえまして、引き続き子どもたちにとって最適な学習環境について議論を進めていくものと認識しております。
 また、老朽化が進む学校施設につきまして、小中学校施設老朽化対策検討委員会からの提言を踏まえた上で、国や県の補助金など財源をしっかりと確保し、計画的に長寿命化や更新を行い、子どもたちの教育環境の整備・充実を図ってまいります。
(個々に寄り添い、新たな学びを展開する学校教育)
 GIGAスクール事業として児童生徒に一人1台配布したタブレットを活用し、ドリル学習などの「個々に適応した学び」と、グループワークやプレゼンテーションなどの「対話的な学び」の両面から、子どもたちの創意工夫を促していきます。
 また、子どもたちへのきめ細かい指導・支援を行っていくため、GIGAスクール事業におけるICT支援員のほか、特別非常勤講師、特別支援教育支援員、外国語指導助手の配置を充実してまいります。
(文化の継承、生涯学習、スポーツの推進)
 これまで20歳を迎えられた方を対象に実施しておりました「成人式」につきまして、令和5年1月の開催から「愛西市二十歳の集い」と名称を改め、記念行事を開催いたします。
 市民の皆様にご利用いただいている図書館や体育館などの修繕を行い、安全で快適に利用できる環境を維持してまいります。
 立田総合運動場につきましては、令和5年度に予定しております愛知県サッカー協会への移管に向けて、必要な整備を進めてまいります。 

 最後に、「新しい生活様式へのまちづくり」です。
(スマート自治体への取組・人と技術の融合)
 これまでも市の広報紙をパソコンやスマートフォンなどで閲覧できたり、税金などの納付をキャッシュレスで決済できるようにするなど、行政のデジタル化に鋭意取り組んでおります。
 昨年末には、住民票の交付や各種証明書の手数料の支払手段として、三菱UFJ銀行を始め全国の金融機関が加盟する日本電子決済推進機構によるスマートフォン決済サービス「バンクペイ」を全国の自治体に先駆けて導入しているところです。
 さらに、今月からは、住民票の交付や各種証明書の請求・支払が、ご自宅のパソコンなどから行うことができるようになったほか、窓口での支払に、クレジットカードや電子マネーを利用できるようになりました。
 令和4年度の新たな取組としましては、市民の皆様にご利用いただいているスポーツ施設につきまして、これまで窓口で行っていた空き状況の確認・予約や、料金の支払などの手続を、インターネット上で全て行うことができる「スポーツ施設予約システム」を新たに導入いたします。
 また、マイナンバーカードや運転免許証を利用して、申請者の氏名・住所欄を自動で印字できるようになるなど、申請書の作成を支援するサービスを市民課において導入していきます。
 行政のデジタル化を進める一方で、行政サービスの根幹であります市民の皆様と職員とのコミュニケーションの大切さを忘れることなく、全職員が市民の皆様の目線に立ち、温かみのある行政サービスを提供してまいります。 

 以上、令和4年度当初予算の主な内容について申し上げました。

 本定例会に上程させていただいております令和4年度当初予算につきましては、一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせた予算総額が416億8,707万8千円で、本年度の当初予算と比較しますと、2.8パーセントの増となっております。このうち一般会計は231億7,100万円で、本年度の当初予算と比較しますと、2.8パーセントの増、また、令和3年6月補正後の予算と比較しますと、0.4パーセントの増となります。
 予算の詳細につきましては、この後、担当部長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 

 最後になりますが、これからも引き続きSDGsの基本理念である「誰一人取り残さない社会の実現」に向け、全力で取り組んでまいりますので、市民の皆様並びに議員各位の、より一層のお力添えをお願い申し上げまして、招集挨拶並びに施政方針といたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。 

令和4年3月3日

                         愛西市長 日永貴章