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令和6年3月愛西市議会定例会 招集挨拶並びに施政方針説明

更新日:2024年2月26日

 本日ここに、令和6年3月愛西市議会定例会を招集申し上げたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変御多忙の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。

 本年最初の定例会において、令和6年度当初予算並びに関連議案の御審議をお願いするに際し、市政運営に臨む所信の一端を述べ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 はじめに、令和6年能登半島地震への対応についてであります。

 元日に発生しました能登半島地震から2か月が経過しようとしています。この震災でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災されたすべての皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。

 この国難とも言えます震災に対し、国を挙げた、一日も早い復旧・復興と、被災された方々の生活再建の支援が求められております。

 本市では、地震発生後、直ちに市消防本部から緊急消防援助隊が出動し、これまで消火隊3隊15名、後方支援隊9隊18名が、人命救助活動や後方支援活動を行いました。

 また、被災地からの要請により、職員7名を現地に派遣し、応急給水活動や被災した住家の被害認定調査等の支援を行っています。

 引き続き、被災自治体の要請に応じて、各種支援の取組を継続的に行ってまいります。

 海抜ゼロメートル地帯に暮らす私たちにとって、決して他人事と捉えてはなりません。被災地の状況を目の当たりにし、改めて、災害からいかに身を守り備えるかについて、市民全員で危機感を共有し、第一歩をともに踏み出していかなければならないと考えています。

 次に、新型コロナウイルス感染症につきましては、昨年5月に、感染症法上の位置付けが5類に移行されました。尾張津島天王祭が4年ぶりに通常開催となったほか、あいさいさん祭りなどの行事やイベントも通常どおり開催されるなど、令和5年度は、まちに賑わいが取り戻された1年となりました。

 一方で、国際的な原材料価格の上昇や円安が相まった輸入物価の上昇等による物価高騰は、市民の皆様の生活や地域経済に大きな影響を及ぼしています。

 本市では、国の交付金を活用しながら、上水道基本料金の免除・補助、保育所等の副食代や小中学校給食費の無償化、製造業者等への事業継続支援など、様々な支援を実施してまいりました。

 引き続き、安心な日常生活と活力ある社会経済活動の回復に向け、各種事業を展開してまいります。

 思い返してみますと、市長に就任した平成25年5月以降、任期は3期目も2年9か月が過ぎました。これまで人口減少、少子・高齢化、公共施設の老朽化対応や適正配置の取組など、様々な行政課題に対して熟慮を重ね、持続的な行財政運営を維持し続けるため、時には「すすめる決断」と「とどまる勇気」でもって行財政改革を断行し、愛西市の礎を築いてまいりました。

 そして、子育て支援を始めとした市独自の支援策に取り組むとともに、市の将来に向けた重点プロジェクトにチャレンジしてまいりました。

 市民の皆様からの期待と信頼にお応えし、愛西市の更なる発展につなげていくために、今後も全力で市政運営にあたってまいります。

 令和6年度は、本市として節目となります市制施行20周年を翌年度に控え、また、令和8年度の道の駅と都市公園のグランドオープン、そしてアジア・アジアパラ競技大会の開催を控えた重要な年になります。これらのプロジェクトの準備を着実に進めていかなければなりません。

 また、効率的な行財政の構築に向け、さらなるDXの推進を図っていく必要があります。

 こうした状況に適切に対応し、事業の効果を最大限に発現するため、令和6年4月に組織・体制の見直しを行うなど、第3次行政改革大綱を着実に推進してまいります。

 それでは、令和6年度当初予算編成について申し上げます。

 我が国の景気は、このところ足踏みも見られるものの、緩やかに回復しています。

 先行きは、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。

 ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっているほか、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるほか、令和6年能登半島地震の経済に与える影響にも留意するなど、依然として不透明な状況が続いています。

 本市の財政状況につきましては、市税や税交付金などの伸びが期待できない中、扶助費や人件費などの義務的経費は引き続き増加し続けています。さらに、賃金上昇や物価高騰に伴い、物件費や補助費等も増加しており、依然として厳しい財政状況が見込まれます。

 こうした状況にあっても、将来につながる分野に重点的に投資する予算編成を行うためには、歳入・歳出両面において、積極的に行財政運営を見直していかなければなりません。

 歳入面では、常に情報のアンテナを高く持ち、国県補助金などの確保に向け積極的に働きかけるなど、特定財源の活用を図るとともに、市の自主財源の拡充・強化に向けて取組を推進してまいります。

 まず、ふるさと応援寄附金の寄附総額は、令和4年度、約1億400万円であったものが、令和5年度は昨年12月末申込みベースで約9,200万円と、4年度をさらに上回る見込みです。

 ふるさと納税は、自主財源の確保という側面にとどまらず、市の魅力や特産品を効果的にPRすることにより、交流人口・関係人口の創出、地域経済の振興等の効果も期待できます。令和6年度は、新設するシティプロモーション課において、さらに取組を前進してまいります。

 また、新たな自主財源の確保策として、令和5年度に親水公園総合体育館のネーミングライツパートナー契約を行い、令和6年度からは愛称が「垣見鉄工アリーナ」となります。本事業の効果を見極めながら、さらなる事業の展開も視野に入れてまいります。

 一方、歳出面では、各種事務事業やサービスの検証・見直しを徹底するとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、長期的な視点に立って、公共施設の統廃合や長寿命化、計画的な維持管理、民間活力の導入などを進め、都市間競争の基盤となる財政の健全化に取り組んでまいります

 そうした中においても、10年後、20年後の愛西市を見据え、必要な施策については、積極的かつ大胆に進めていまいります。

 続きまして、令和6年度当初予算の主な内容について、大きく分けて6つのまちづくりの視点により、順に説明してまいります。

 第一は、「安全・安心なまちづくり」です。

(防災・減災対策の推進)

 能登半島地震での被災地や避難所の様子から、南海トラフ地震や豪雨による浸水など、自然災害がいつ発生してもおかしくないと言われているこの地域においては、災害に強いまちづくりに向けた取組が喫緊の課題であることを再認識いたしました。

 こうした突発的に発生する激甚災害に対しましては、市民の皆様一人ひとりが災害への備えの意識を持ち、そして地域が持てる力を結集して災害に備えていかなければ、被害を最小限に抑えることができません。

 市全体の防災力を高めていくために、令和6年度は愛知県と合同で、津波・地震防災訓練を実施いたします。地震による堤防の崩壊、浸水が起こった際、市民の皆様が迅速に命を守る行動をとっていただくよう、避難場所への避難訓練のほか、県のゼロメートル地帯広域防災活動拠点を活用した救助避難訓練を行います。さらに、関係団体などと連携して避難所の開設・運営訓練などの取組を実施します。

 また、国、県、周辺市町村と連携し、市外への広域避難に向けた体制づくりに引き続き取り組んでまいります。

 そのほか、地域の防災力の向上を図るため、自主防災組織が行う防災訓練や資機材の購入に対して支援を行っていきます。

 地震による建物の倒壊など、甚大な被害を防ぐため、木造住宅の無料耐震診断や耐震改修、ブロック塀の撤去費用に対する補助についても、引き続き実施します。

 ハード対策としては、国の木曽川福原地区河川防災ステーションの整備に併せ、福原水防センターを建築するための実施設計を行います。

(治水対策の推進)

 本市は、自然排水が困難な海抜ゼロメートル地帯に位置しており、水害に強いまちづくりに向けて、治水対策は、極めて重要な取組と考えております。日々の排水についても排水機による強制排水に頼らざるを得ない状況であることから、国、県、土地改良区と連携して、治水の要である排水機場や排水路等の整備を計画的に行ってまいります。

(安心して暮らせる社会の実現)

 本市では昨年、2名の方が交通事故により命を落とされました。交通事故件数も昨年より増加しており、交通事故抑止のためには、市民の皆様一人ひとりが交通ルールを守る意識を強く持っていただくことが大事です。

 悲惨な交通事故による犠牲者を一人でも減らせられるよう、津島警察署や各種団体と連携し、交通安全教育や街頭啓発活動を行ってまいります。

 また、道路交通法の改正を踏まえ、若年層及び高齢者が着用する自転車乗用ヘルメットの購入補助について、令和6年度も継続して実施します。

 ハード面での取組も進めております。子どもたちが安全に通学できるよう、通学路にカラー塗装を施すほか、防護柵、カーブミラーなどを計画的に設置し、歩行者や自転車利用者にとって安全・安心で快適なまちを整備していきます。

 水槽付き消防ポンプ自動車を計画的に更新し、消防力の維持・向上に努めます。

 第二は、「心身ともに健やかな、地域共生のまちづくり」です。

(子育て支援の充実)

 本市においては、少子化対策として、本市独自の子育て支援策を戦略的に打ち出すことで、「子育て世帯に優しいまち」として積極的にPRしてまいります。

 子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、令和6年度からは、市独自事業として、近隣市に先駆けて、特に学習費の負担が大きい時期となる、愛西市立の中学校へ通う生徒への給食費補助を拡充し、無償化いたします。

 なお、幼稚園、保育所等に通う幼児の副食代に対する補助や、愛西市立の小学校に通う児童の給食費に対する補助については、継続して実施してまいります。

 その他、愛西市の独自施策として実施してまいりました、18歳の年度末までの子ども医療費の無償化や1歳児子育て応援給付金事業、新婚世帯への住居費支援等についても、引き続き行ってまいります。

 子どもを安心して育てる環境を整えるため、認定こども園への移行に必要な施設整備に対して、財政的な支援を行ってまいります。

 さらに、令和6年4月から「子育て世代包括支援センター」と「子ども家庭総合支援拠点」の機能を併せ持った「こども家庭センター」を設置し、妊娠から出産、子育てに至るまで、切れ目のない支援体制の充実・強化を図ってまいります。

(生涯いきいきと暮らせる健康づくりの推進)

 市民の皆様が、いつまでも健やかで心豊かに暮らしていくことが、将来の不安を解消し、健康寿命の延伸や生活の質(Quality Of Life)の向上を実現する上で、重要になります。

 ご高齢の方の、住み慣れた地域での自立した生活と社会参加を目指し、保健事業と介護予防事業の一体的な取組をさらに拡充してまいります。

 乳幼児や妊産婦を対象とした健康診査や、がん検診を始めとする各種の検診を実施し、市民の皆様がライフステージに応じて、健康状態を定期的にチェックできる機会を提供してまいります。

 また、50歳以上の方への帯状疱疹や高齢者へのインフルエンザのワクチン接種を始めとする各種の予防接種について、市民の皆様に御案内し、病気と重症化を自発的に予防する意識を促していきます。

 そのほか、「あいち健康プラス」を活用した運動支援や、「あいさい野菜メニュー提供店」を目的地としたスタンプラリーを開催し、運動と食の両面からの健康づくりを促進してまいります。

(障害・高齢者福祉の充実)

 ご高齢の方が、地域とのつながりや生きがいを持ちながら、安心して住み慣れた自宅で暮らしていけるよう、個々の生活状況に応じたきめ細やかな支援を進めていきます。

 タクシーの料金助成については、公共施設や医療機関に限られていた利用範囲を拡大し、また、運転免許証をお持ちでない方の移動支援を図ることにより、高齢者の皆様の外出を促していきます。

 家庭からの日々のごみ出しに課題を抱える事例が増加していることから、令和6年度は、ごみ出しが困難な家庭を対象に、家庭ごみを戸別収集する事業に試行的に取り組みます。

 さらに、重層的支援体制整備事業では、複雑化・複合化した生活課題に対応するため、多機関が協働して包括的に支援する体制を構築し、これまで介護・障害・子育て・生活困窮等の各分野で実施している相談支援を一体的に実施していきます。

 第三は、「一生涯の学びを支えるまちづくり」です。

(多様な学びを促す教育環境)

 小・中学校の適正規模・適正配置につきましては、昨年3月に愛西市立小中学校適正規模等並びに老朽化対策基本計画素案を策定して以降、各地区の説明会において丁寧に説明を行いました。

 それ以降も、広報あいさいやホームページ、世帯向け回覧や保護者へのお知らせ等により、事業内容の周知を図っております。

 また、各地区の保護者や地域の皆様のご意見を直接伺うために、座談会の開催や意向調査を実施し、これまでの意見を踏まえ、1月には、令和13年度までを計画期間とした第1期計画案を公表しました。

 現在、パブリックコメントで頂いたご意見を踏まえ、教育委員会において、最終取りまとめに向け、整理を行っているところです。事業の推進にあたっては、子どもたちの学習環境を第一に考え、引き続き保護者や地域の皆様に対しましても、ご説明してまいります。

 学校施設につきましては、施設設備全体に老朽化の波が押し寄せ、その多くで更新時期を迎えつつあります。加えて、社会の変化に伴い、学校教育を進めるうえで必要とされる機能を備えることが求められております。

 令和6年度は、学校施設の老朽化に対応するため、佐屋小学校のほか、永和中学校体育館の健全度調査を実施します。

 また、熱中症対策及び避難所の環境整備の観点から、中学校4校の体育館に新たに空調設備を整備します。

 引き続き、子どもたちに安全・安心で快適な教育環境を提供してまいります。

(個々に寄り添い、新たな学びを展開する学校教育)

 令和5年度に市独自事業として新たに実施した中学生体験学習事業については、令和6年度も引き続き、東日本大震災の被災地である岩手県や宮城県の視察を行い、近い将来この地域で発生が予測されている南海トラフ地震への備えなど、身近な問題について考える貴重な機会としていただきたいと考えています。

 また、ICTを活用した学習活動を展開するほか、市独自に特別非常勤講師、特別支援教育支援員、外国語指導助手などを配置し、引き続き、きめ細かい指導・支援を行ってまいります。

(文化の継承、生涯学習、スポーツの推進)

 尾張津島天王祭は、昨年7月に開催された朝祭では、先車を務める市江車の絢爛豪華な姿が披露されました。4年ぶりの通常開催となり、地域や観光客の皆様の歓声も一段と大きなものを感じ、改めて、600年以上続くこの伝統文化を守り、確実に次世代へ継承していく決意を心に刻み込みました。

 生涯学習と文化振興、生涯スポーツとを一元的に牽引する体制としまして、令和6年度から、生涯学習課とスポーツ課を統合し、生涯学習スポーツ課とします。

 2026年アジア・アジアパラ競技大会では、ローイング競技が、長良川国際レガッタコースを会場として仮決定されています。

 本市としては、この大会を契機に、市民の皆様がスポーツに関心を持つだけではなく、健康づくりや地域の活性化に関心を持ち、自ら取り組んでいただくことが重要であると考えております。

 令和6年度は、生涯学習スポーツ課内にアジア・アジアパラ競技大会推進室を設置し、大会開催の機運を盛り上げ、市民の皆様にとって競技が身近に感じていただける環境を整えてまいります。

 旧立田総合運動場が人工芝グラウンドに生まれ変わり、愛知県サッカー協会により、愛称を「貝沼建設 花はすフィールドあいさい」としてオープンしました。

 4月からは一般利用がスタートします。公式のサッカー大会だけではなく、市民スポーツや地域のイベントなど幅広い利用により、地域の活性化に繋がることを大いに期待しています。

 第四は、「活力ある快適なまちづくり」です。

(農業の振興)

 本市の基幹産業である農業の振興は、重要な事業の一つであります。

 農業従事者の高齢化が急速に進行する中、農地利用の最適化や新規就農者の掘り起こしを進め、持続可能な農業を実現する必要があります。

 令和6年度におきましても、引き続き、国、県、関係機関と連携し、農業経営の安定・合理化につながる取組や担い手の育成に関する取組を行っていきます。

 また、愛西市の魅力や農産物を知っていただく機会の創出も重要です。

 既存の道の駅において、市の魅力や地元農産物・加工品のPRに取り組み、販売促進につなげていきます。

 さらに、愛西市で生産されている農産物などの販路拡大を図るため、農産物などの輸出促進に取り組むために施設整備を行う事業者を支援してまいります。

(商工業・観光の振興)

 中小企業の経営安定や地域産業の活性化を図るため、商工会と連携して市内産業に対する支援を継続していきます。

 「道の駅 立田ふれあいの里」は、本市だけでなく、海部地域で最大規模の集客力がある観光拠点であると考えており、都市公園と一体となった施設として、令和8年度の全面供用開始に向け着実に事業を進めています。

 令和6年度は、道の駅のリニューアルと新たな都市公園の整備もいよいよ本格化し、24時間トイレや駐車場の一部がオープンします。令和7年度には、農産物直売所などの施設が供用開始します。

 現在、指定管理者の選定の手続きを進めております。道の駅と都市公園といった性格の異なった施設を、10年間の長期にわたり、一体的に維持管理・運営する事業者を選定することから、審査委員会の委員の皆様には、慎重な審査をお願いしています。

(計画的なまちづくりの推進)

 名鉄藤浪駅については、憩い・賑わいの拠点として、清林館高校の生徒の皆さんや地元の皆様の御意見を踏まえ、令和5年度から2か年にわたり再整備を進めています。

 また、名鉄佐屋駅の周辺整備については、地元の皆様との勉強会や関係機関との協議を進め、令和6年度は引き続き基本計画の策定を行い、この計画を踏まえ、概略設計を行ってまいります。

 市内の鉄道駅周辺での新たな市街地整備に向け、令和5年度は優先的に整備を進める拠点の選定を進めています。令和6年度は、選ばれた鉄道駅周辺拠点のまちづくりビジョンの策定に向け、検討を進めていきます。

 弥富インター周辺部での新たな工業用地の創出につきまして、市内2か所目となる県企業庁用地造成に向け、県と連携し、着実に事業を実施しており、実現に向け、引き続き取り組んでいきます。

 第五は、「協働によるまちづくり」です。

(地域コミュニティの充実・豊かさを実感できる環境整備)

 社会を取り巻く状況が急激に変化し、多様化・複雑化する地域の課題をいち早く解決し、活力あるまちづくりを行っていくためには、防災・防犯活動、児童生徒や高齢者の見守りなど、幅広い分野にわたって活動する地域コミュニティの存在が、非常に重要になります。

 令和6年度は、自主防災組織への支援など、各種団体の活動支援を拡充しており、地域コミュニティの自発的活動の推進や地域の活性化につなげてまいります。

(市民の誰もが主役)

 本市は、令和7年4月1日に市制施行20周年という大きな節目を迎え、夢や希望を未来へつなげていかなければなりません。

 令和5年度は、あいさいさん祭りや蓮見の会、市民体育大会などの各種行事・イベントを通常どおり開催することができました。人が集まり、賑わいが生まれることで、まちは活性化します。

 本市の記念すべき20周年に向け、市民の皆様、各種団体、事業者など、まちづくりに関わる様々な主体が自立・連携し、まちの賑わいがさらに発展するよう、その活動を促してまいります。

 最後、第六は、「魅力あふれ、DX推進による市民本位のまちづくり」です。

(シティプロモーションの推進)

 本市には、暮らし・観光・産業・文化・スポーツなど、様々な魅力・地域資源があり、さらに、令和7年度に市政施行20周年を迎えるほか、道の駅と都市公園のグランドオープン、アジア・アジアパラ競技大会の競技実施、南部地区工業団地計画など、様々なプロジェクトが起動しています。

 広報とシティプロモーションの業務を更に推進するため、シティプロモーション課を新設し、情報発信の強化を図るとともに、魅力・地域資源を一元化し、相乗効果を発揮するよう、より戦略的かつ効果的に発信していくための計画を策定します。

(DXの推進と市民ニーズに寄り添った行政サービスの実現)

 本市では、行政のデジタル化を積極的に進めております。

 昨年の12月から、マイナンバーカードを利用し、住民票の写しや印鑑証明書をコンビニエンスストアなどで取得できるサービスを開始しているほか、市議会においても昨年、タブレットを導入し、議会DXによる効率化、円滑化に取り組んでいただいています。

 また、市の内部業務についてもデジタル化に取り組んでおります。

 RPAについては、令和5年度に税務や福祉関係など2件の事務について導入したところであり、引き続き、他の事業にも展開し、更なる事務の効率化を進めていきたいと考えております。

 令和6年4月、全庁的な自治体DX推進体制を明確化するため、総務課内にDX推進室を新設し、デジタル技術を活用した行政の効率化の取組と、市民の皆様の生活と暮らしがより豊かになる取組を進めてまいります。

 ただし、行政のデジタル化を進める一方で、行政サービスの根幹であります市民の皆様と職員とのコミュニケーションの大切さを失わないよう、全職員が「奉仕者のプロ」として、市民の皆様の目線に立ち、温かみのある行政サービスを提供してまいります。

 以上、令和6年度当初予算の主な内容について申し上げました。

 本定例会に上程させていただいております、令和6年度当初予算につきましては、一般会計で274億1,000万円、令和5年度当初予算に対し、9.8パーセントの増で、当市が誕生しました平成17年度以降で過去最大の予算規模となっております。

 各会計の詳細につきましては、この後、担当部長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 さて、1月に厚生労働省が発表しました、人口動態統計の年間推計によれば、令和5年に国内で生まれた子どもの数は、統計開始以来、初めて80万人を割り込んだ令和4年度をさらに下回り、過去最少を更新することが見込まれています。一方、死亡者数も戦後最多となる見込みであり、自然減は過去最大の80万人を超えることが確実視されています。

 国立社会保障・人口問題研究所が、昨年4月に発表した国内の将来推計人口を見ても、今から約30年後の2050年は約1億400万人と15%以上の減少が見込まれ、高齢化率は37%と、3人に1人以上が高齢者という状況になっています。

 全国的にみても、人口減少は確実に、現在進行形で進んでおります。

 さらに、同研究所は昨年12月に、全国市町村の将来推計人口も発表しています。本市の2050年の姿は、人口が約4万2,000人、高齢化率は43%となっています。生産年齢人口も48%と、いよいよ半分を割り込むことが見込まれています。

 こうした数値をみると、30年後の愛西市の姿は、どうなってしまっているんだろうか、と思われる市民の皆様も多いと思います。

 次の世代を担う、今の子どもたち、さらに、これから生まれてくる子どもたちが愛西市に住み、愛西市で働き、生活をするためには、私たち今の世代の者たちが、持続可能な自治体に向け、今からその礎を築いていかなければなりません。これが私たちの責務だと考えています。

 市の財政状況を見ますと、税収については、全国的に働く世代の人口の減少が見込まれることから、本市においても、大きな増収は期待できません。令和6年度当初予算の自主財源比率は39.7%となっております。

 こうした中、歳出では、10年、20年後の愛西市を見据えた事業を実施するため、国県支出金や市債を最大限活用して予算編成を行いました。

 一方、社会保障関係経費である扶助費や特別会計への繰出金は年々増加を続けておりまして、令和6年度当初予算では過去最大の約104億円となり、予算全体の3分の1を占めております。こうした経費は今後も増加の一途が見込まれており、市負担分に対する財源対策は必須となってまいります。また、老朽化した公共施設の施設設備の計画的な改修などの投資についても、着実に推進することが必要です。

 これらに対応するため、令和6年度は財政調整基金を活用し、収支不足を解消しております。

 基金を財源に行政サービスをさらに充実すべきだ、というご意見もありますが、人口減少・少子高齢化、施設の老朽化など、様々な課題を抱える中、今後の財政状況を見通しますと、安易に行政サービスを追加・充実することは、持続可能な愛西市の行政運営を目指す上で責任ある態度とは言えません。

 今後とも、将来の財政を見通し、社会保障経費の増加や、公共施設の適正配置・適正規模化、老朽化対策などに対応できるよう、各種基金を計画的に確保してまいりますが、必要な施策を実現するにあたっては、しっかり活用してまいります。

 最後になりますが、これからも引き続き「ひと・自然 愛があふれるまち」の実現に向け、市民の皆様方と協働し、全力で取り組んでまいりますので、市民の皆様並びに議員各位のより一層のお力添えをお願い申し上げまして、招集挨拶並びに施政方針といたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

令和6年2月26日

                         愛西市長 日永貴章