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平成30年3月愛西市議会定例会 招集挨拶並びに施政方針説明

更新日:2018年3月28日

 本日ここに、平成30年3月愛西市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご多用中にもかかわらずご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。

 本年最初の定例会に平成30年度当初予算並びに関連諸議案のご審議をお願いするに際しまして、市政運営に臨む所信の一端を述べさせていただき、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと思います。

 昨年の市長選挙において市民の皆さまから再び愛西市の市政運営をお任せいただき、私の理念である「すすめる決断」と「とどまる勇気」に基づき、2期目においても市民の皆様からいただきました信頼と期待にお応えするため、愛西市の現在と未来のために全力で取り組んでいるところであります。
 この4月から「第2次愛西市総合計画」がスタートいたします。そして「第2次愛西市行政改革大綱」も同時に始まります。
 総合計画は、去る12月議会においてご議決をいただき、また、行政改革大綱は、市の状況の把握、事業、サービスの検証を行ってきた結果も踏まえ、今後の行政改革の具体的な取り組みを定めた行政改革大綱であります。
 総合計画が愛西市の未来を切り開くためのものならば、大綱は、総合計画を力強く推し進めるための行政運営のベースとなるものであり、今後、これら計画、大綱を両輪として、力強く「愛西市」を前に進めていきたいと考えております。
 市政運営の一端を担わせていただいております市職員に対しましても、これら計画、大綱を十分に理解し、愛西市の進むべきビジョンを具現化するための各種事業の構築について、様々な情勢等を俯瞰し考え、柔軟な視点・フレッシュな感性により進めるよう指示してまいります。
 そして、常々申し上げております「持続可能な愛西市」を体現するためには、世代を問わず、市民の皆さまと行政との協働は不可欠であります。
 創造性豊かで先進的な愛西市づくりとなるよう、職員個々の持てる力を十分に発揮し、市民の皆さまと共に成長できるよう、鼓舞してまいります。
 事業の実施に当たっては、様々な取り組みを行っていく過程において、関係するすべての方々によるお力添えをいただきながら、山積する諸課題の解決に全力で取り組んでまいります。 
 次世代に自信を持って誇れる愛西市づくりに邁進してまいる所存でありますので、議員各位のご理解とご協力をお願いするものであります。

 さて、平成29年度においては、本市にとって将来に向けた大きな取り組みが始まった年度であります。
 まず、地域の方や議員各位のご理解とご協力をいただきながら進めてまいりました「南河田工業団地」の造成工事が完了する見通しとなりました。昨年12月には愛知県企業庁により企業の公募が行われたところ、募集区画を上回る企業からの応募がありました。
 企業が愛西市内で事業展開をしていただくことで、地元の雇用創出や周辺住民の皆さんとの新たな連携による地域の活性化に繋がることを切に願うところであります。この状況に留まることなく、さらなる地元雇用の拡大、地域の活性化及び産業振興を目指し、新たな取り組みを進めたいと考えております。
 また、現在、持中町地内において建設が進んでおります清林館高校が、平成30年度からその拠点を愛西市内に移し開校されます。愛西市で学んでいただけることは、若い方に本市のことを知っていただく良い機会であり、地域と学校の新たな交流も期待しております。
 高校生の豊かな創造力を生かした官学協働による事業展開も視野に入れ、市としても市内の他の高校と同様にサポートしていきたいと考えております。
 少子化の中、将来の愛西市を担う子ども達の健やかな成長を願い、よりよい保育環境を提供するため、「公立保育所の運営に関する方針」に関して具体的に取り組みが始まります。小中学校においても「小中学校の適正規模、適正配置」に関し、保護者の皆さまや地域住民の方々からのご意見をお聞きしながら、教育委員会において検討が始まっております。
 子どもたちの豊かな人格を形成していくために、保育・学校環境を提供することが行政の使命であり責務であります。これらの取り組みを進めるため、保護者の皆さま、地域の皆さま、関係機関、議員各位のご理解ご協力をいただきながら、将来を見据えた保育及び教育環境の整備を進めてまいります。

 以上、一部のものについて紹介をさせていただきましたが、その他の取り組みについても前例に捉われることなく、さらに良い事業となるよう、検討を重ね取り組んでまいります。

 次に平成30年度の予算編成について申し上げます。
 まず、国の情勢に目を向けてみますと、海外経済の緩やかな回復が続く中、国内も雇用・所得環境の改善が続く下で、景気も緩やかに回復していくことが見込まれております。しかし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動リスクや、少子高齢化・人口減少社会の更なる加速による社会保障の増大、労働人口の減少に伴う経済の萎縮など、様々な面において将来に対する成長を阻害する要因をはらんでいることにも、注視する必要があります。
 そのような国の状況下において、本市を取り巻く状況を見てみますと、少子高齢化・人口減少の影響はさらに深刻であり、早急に対応を迫られる状況となっております。
 また、本市においては、重要な財源である普通交付税について、合併による特例増額分が平成32年度を最後に終了します。また、社会保障費、公共施設の老朽化対策経費等の増加が見込まれることにより、将来の財政計画が非常に厳しい見通しであることは、議員各位におかれましてもご承知のとおりと存じます。このような現状においても、次世代に向けた新たな取り組みにも積極的にチャレンジしてまいります。
 本市を取り巻く現状を総合的に判断し、不要不急の経費の節減、事務事業の見直しなど歳出の抑制に努めてまいります。将来を見据え、市民の皆さまに対し、また、市外の方に愛西市をもっと知っていただくために、新たな事業を積極的に展開させ、持続可能な愛西市づくりへとつなげるための予算編成とさせていただきました。

 次に、主な内容について、説明させていただきます。
 従来から、地域活動に関しては、地域の皆さまと行政が協働して、地域ならではのイベントや活動を実施いただいております。地域に限らず市民活動に関して、市としてアシストをさせていただくための補助金を創設いたします。
 この補助金を原資として、市民の皆さまなどから提案された、市全体の活力につながるような取り組みが実現し、市内の市民活動を盛り上げていただける「担い手」が育つことを期待するものであります。

 次に、子育て支援として、政府においては、「新しい政策パッケージ」を推進することとして少子化対策に具体的に取り組み始めております。本市においても、妊娠から子育てに至るまでの切れ目ない施策をより一層充実させてまいります。
 また、民間保育所等の環境整備を支援するため、民間保育所、認定こども園の施設整備費に対して財政的支援を行うほか、保育所等において保育士の補助を行う保育補助者の雇上げに必要な費用を補助します。
 当初予算には計上はしておりませんが、子ども医療費の支給を、従来実施していなかった中学生の通院に係る医療費について、自己負担額の3分の2を償還払いで助成する旨の条例の一部改正を議案として提出いたしました。
 子ども医療費の助成に関しては、議会においてもご議論をいただいている中で、議員各位のご意見や、本市の財政状況、将来にわたる財政負担を踏まえ、今議会において議決をいただくことができましたら、8月1日からの実施に向け、次回の議会において改めて必要となる予算に係る議案をご審議いただきたいと考えております。

 次に、市民全体の交流を深める取り組みといたしまして「あいさい市民による音楽祭」「愛西市植樹祭」を開催いたします。
 「あいさい市民による音楽祭」は、身近に音楽活動に触れる機会を設けることで市民の皆さまの交流・親睦、ひいては音楽文化の振興を図ります。
 「愛西市植樹祭」は、5月19日に親水公園で開催される「愛知県植樹祭」及び「第70回全国植樹祭 1年前記念イベント」と同日に開催し、緑化に対する意識の高揚とみどり豊かで快適な環境づくりを推進します。

 市民の皆さまがこれら事業に積極的にご参加いただくことで、絆が深まることを期待するものであります。

 健康なまちづくり事業におきましては、運動習慣をつけるための支援として平成29年度から取り組んでおります。活動量計を有効活用したウォーキングの普及への取り組みを拡充いたします。そして、新たに、商店・飲食店・農業関係者の協力を得ながら、愛西市産の野菜を使ったヘルシーメニューの提供事業にも取り組むことで、市民の皆さまの生活習慣の改善を促し、健やかで元気に暮らせるまちとなるよう環境づくりに努めてまいります。

 次に、公共施設の老朽化対策につきましては、平成29年1月に策定しました「愛西市公共施設等総合管理計画」により、概ね30年間において公共建築物の延床面積を約30%縮減する目標に向け、個別施設計画の策定を進めます。施設の老朽化は今、この時点においても確実に進んでおり、早急な対応が必要であります。
 学校施設として佐屋中学校を、消防施設として消防署本署について、建物の評価検討調査を実施するための経費を計上いたしました。他の施設についても個別計画の策定を進め、今後の施設整備に向けた準備を進めてまいります。

 愛西市は、名古屋都市圏近郊の好立地条件にありつつ木曽三川の恵みによる肥沃な大地が広がる豊かな自然と、史跡、ハスの花など、観光資源が多くあります。
 現在、木曽川下流河川事務所と「愛西市木曽三川ミズベリング協議会」を立ち上げて、木曽三川周辺の水辺空間の整備や活用施策、維持管理等について検討を進めているところであります。
 これら観光資源を市内外の方に知っていただくため、道の駅「立田ふれあいの里」を中心に、隣接する森川花はす田のほか、本市の観光施策として重要な拠点である「立田ふれあいの里」周辺地域を整備するための調査を実施します。

 教育に関する予算といたしましては、先ほど申し上げました佐屋中学校の校舎について健全度調査を実施します。夏休みには市内小中学生に一般開放を行っている佐屋小学校のプールについて、老朽化に伴う改修を実施いたします。また、児童生徒の学習環境の改善のために実施している小学校トイレ改修、有事の際の避難所施設としての機能も有する小中学校の屋内運動場等非構造部材耐震化についても、引き続き実施いたします。
 将来の愛西市を担う子どもたちに安全で快適な教育環境を提供し、有事の際にも対応できる施設整備を進めてまいります。

 次に、選挙管理委員会に関する予算といたしまして、4月15日執行予定の市議会議員一般選挙で、愛西市役所だけで実施しておりました期日前投票所を佐織庁舎にも開設します。

 以上、予算の主な内容について申し上げてまいりました。

 地方交付税の減額など本市を取り巻く厳しい財政状況の中にあっても、市民の皆様の負託に応えるため、歳入では、交付税や国・県補助金など財源確保に努め、歳出では、事務事業の見直し及び重点化、効率化を図り、持続可能な行政運営を念頭に予算編成作業に取り組んだところであります。
 なお、本定例会に上程させていただいております平成30年度当初予算につきましては、一般会計、特別会計などを合わせた予算総額は370億4,189万2千円で、一般会計予算では205億3,100万円で、前年度の骨格の当初予算と比較しますと3.5%の増となっております。
 予算の詳細につきましては概要書に記載をさせていただいておりますので、ご覧いただきますようよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、このたび、愛西市の市勢要覧を6年ぶりに刷新いたします。市勢要覧は、市の地勢、産業、文化などの概要を広く紹介するための冊子として、4月からPR媒体としての活用を考えているものです。
 この要覧のあいさつの中に、「はじまっています。市民が主役の物語」という一文を寄せております。
 この言葉には、愛西市をよりよくするため、「市民の皆さまとともに歩んでいること」、「まだ十分でないこと」、「これからしなければならないこと」、様々な思いも含め、愛西市は市民の皆さまとともに創り上げ、未来に向け歩み続けていきたいという思いを込めています。
 愛西市を未来へ繋ぐためには、今のここに住む人たちが、元気で笑顔で、そして行動を起こさなければなりません。
 議員各位並びに市民の皆さまのお力を愛西市の推進力に換え、今後も第2次愛西市総合計画で定めた将来都市像である、「人・自然 愛があふれるまち」を目指して全力で取り組んでまいります。

 ここに重ねて、議員各位並びに市民の皆さまの一層のお力添えをお願い申し上げ、召集挨拶並びに施政方針といたします。

  

 平成30年2月26日

                     愛西市長 日永貴章