愛西市中学生体験学習事業を終えて
- 更新日:2025年9月16日

令和7年度
市内6中学校の3年生を対象に、東日本大震災被災地などを視察する中学生体験学習を6月に実施しました。
生徒たちは、被災地を視察する中で、今も残る津波の痕跡や被災者の記憶に触れることで、災害の恐ろしさや命の尊さを学びました。
また、この地で生きる地域住民の生々しい声を実際の被災現場で聞くことによって、防災への意識が一層高まることにつながりました。
特に2日目のワークショップでは、東北大学災害科学国際研究所の武田真一学術研究員を講師に迎え、「震災被災地で何を確かめたのか」「何のために助かろうとするのか」「避難をあきらめる人をどう説得するか」という問いかけに対して皆が一緒になって真剣に考えました。生徒たちは、震災の現実や命の重みを理解し、避難訓練や災害対策の重要性を再認識するとともに、多くの人が助かることで、被災後の地域や人々を支える力になることなどを学びました。
各学校では、中学生体験学習での経験を活かし、防災に関する学習活動に取り組みながら、地域との絆を深めていきます。
日 程 | 学校名 | 生徒数 | 教員数 |
---|---|---|---|
令和7年6月3日(火)~6日(金) | 佐織中学校、佐織西中学校 | 189名 | 19名 |
令和7年6月10日(火)~13日(金) | 永和中学校、立田中学校、八開中学校 | 130名 | 21名 |
令和7年6月17日(火)~20日(金) | 佐屋中学校 | 173名 | 14名 |

中学生体験学習に関する生徒アンケート
◆視察先について

◆一番良かった視察先は何ですか。

◆中学生体験学習を終えてから、防災への意識は高まりましたか。

◆中学生体験学習から帰ってから、家族で防災について話をしましたか。

◆前の質問で「話をした」と回答した方に質問です。家族で防災について話をしましたか。 (複数回答)


①南三陸旧防災対策庁舎


②気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館


③石巻南浜津波復興祈念公園(3.11メモリアルネットワーク語り部)



④ワークショップ



生徒の感想文を紹介します。

永和中学校
私は体験学習で自然災害の恐ろしさや、災害の被害にあった方々の思いについて学びました。私は、今までニュースや新聞などを見ただけで、災害について全て分かった気になっていました。また、今の友達や家族など、大切な人に逢える日常が当たり前だと思っていました。しかし、その思いは、災害を経験し大切な人をなくした方々に対し、どれだけ失礼かを思い知りました。松島でのワークショップでは、沢山の言葉が心に響きました。『自分の命を守る行動はほかの人の命を守ることにつながる。防災に力を入れると助かることの意味が2、3倍になる』という言葉では、避難訓練の大切さを学びました。『カタチのあるものは時間とお金をかけて支え合いの力があればなんとかなる』『どんなに時間とお金と人手をかけても、失われた多くの命は取り戻せない』という言葉は、私が今生きている時間を生きたくても生きられなかった人がいるという事に気づかせてくれました。そして命の重みも改めて実感しました。この体験学習を通して、避難訓練や早い段階での避難がどれだけ大切なことなのかということを知ることができました。これからはもっと真剣に避難訓練に取り組み、家族と災害時についての話し合いをしようと思います。

佐屋中学校
修学旅行の1日目、2日目では、震災学習をしました。初日は、実際に震災に巻き込まれた宮城県気仙沼市にある高校を見学しました。そこでは、津波の怖さ・津波の性質について学びました。校舎の外では折り重なった車、校舎の3階では横転した車などが、当時のそのままの状態で残してあり、津波がどれだけ危険か考えさせられました。2日目、石巻市のみらいサポートでは、津波が来ているときに自転車で家まで帰ろうとした学校のALTの方がなくなってしまったお話や、自分の子(佐藤愛梨ちゃん)を亡くしてしまったお母様のお話を最後に聞きました。私たちよりも小さい子供が、夜中になってもずっと助けを呼びつづけ、最後まで生きる事を諦めなかったと聞いた時、自分の中で色々な感情をもちました。このように、私たちに震災という恐ろしい事を教えていただけたので、いつ起こるかわからない災害に対し、学んだ事を生かし、自分の命も大切な人の命も守りたいと思いました。

立田中学校
友達や先生方、家族などが、身の周りにいることは、あたりまえではなくてとても貴重なことだということを、語り部さんたちから学んだ。これから、毎日毎日を大切にしながら生きていきたい。『ここは大丈夫と予想されていたから、絶対に大丈夫だ』と思わずに、なにがあるかわからないのだから、自分でより安全なところを探して、避難したい。生きたくても生きることが出来なかった人が多くいることを学んで心がぎゅっとなった。向洋高校にいた生徒たちは、普段からしっかり訓練を行っていたおかげで、全員助かることができたから、私もたくさん聞いたことをしっかり学びにつなげて生かし、正しい逃げ方をしたい。

八開中学校
体験学習では、東日本大震災で被災した人や遺族の方からお話を聞いたり、震災遺構に訪れ、自分の目でどのようなことが起こったのか見たりすることができた。東日本大震災遺構伝承館での映像では、被災した中学生の卒業式の言葉が一番印象に残っている。「命の尊さを知るには大きすぎる代償」という言葉がずっと頭に残っている。被災した人や遺族の方が私たちに何度も伝えてくれたのは「家族と災害が起きたとき、どこに逃げるか話してほしい」ということだった。私はそのことを話す以外にも、体験学習で見たり聞いたりしたことを伝えてきたいと思った。

佐織中学校
今までは、このような被災地についてテレビなどでしか見たことなかったけど、実際に訪れると、災害の恐ろしさやそれから生きのびようと必死に行動された方々の様子などを肌で実感したため、よりいっそう災害や避難への関心が高まった。特に、ワークショップで学んだ「避難とは、人間の尊厳を守るための行動」という言葉は心に残った。いつかは自分達の地域にも大災害は来てしまうかもしれない。でも、自分の命、人権、家族、そして、災害で命を落としてしまった人たちの生きられなかった「今」や「これから」の幸福などのために、絶対に生きのびたいと思った。そのためにも、この機会に災害についてもっと家族と話し合い、避難経路、場所の確認、災害グッズ等の準備など、災害に対する具体的な対策を施していこうと思った。

佐織西中学校
私は、東日本体験学習で気仙沼市と石巻市に行った。そこでは、今までに見たことないような衝撃的な光景や写真とともに、お話を聞いた。その中でも特に印象に残ったのは、あいりちゃんのお母さんのお話だ。まだまだ小さい女の子の命が震災というものによって奪われた。これから楽しいことや嬉しいことをたくさん経験するはずだったと考えるととても悲しいことである。そして、そんな悲しい経験をされたあいりちゃんのお母さんは、私たちに当時の出来事を詳しく伝えてくださった。決してあいりちゃんを忘れることのないお母さんの思いや、展示してあった、あいりちゃんが当時使っていたボロボロで中を見ることができないようなクレヨンや写真を見てとても心が苦しくなり、震災の恐ろしさを強く感じた。震災は人の日常、そして命までもかんたんに奪っていく。今回の東北での体験学習でこのことを目で見て感じることができた。この体験を生かし、もう二度と同じような被害が出ないように備えたいと思った。まずは東日本大震災が人々に与えた影響や私自身が学んだことを忘れないということから大事にしていきたい。そして今普通に生活できていることのありがたみを感じながら生活していきたいと思った。
お問い合わせ
愛西市役所 教育委員会 学校教育課
電話:0567-55-7136
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