愛西市中学生体験学習事業を終えて
- 更新日:2024年9月6日
令和6年度
市内6中学校の3年生を対象に、東日本大震災被災地などを視察する中学生体験学習を6月に実施しました。
生徒たちは、被災地を視察する中で、今も残る津波の痕跡や被災者の記憶に触れることで、災害の恐ろしさや命の尊さを学びました。
また、この地で生きる地域住民のリアルな声を実際の被災現場で聞くことによって、防災への意識が一層高まることにつながりました。
特に2日目のワークショップでは、「震災被災地から何を持ち帰るのか」というテーマで、宮城教育大学の武田真一特任教授の話を聞きながら、災害が起きたときに重要なことは何か、とるべき行動とは何なのかについて、一緒に考えました。
各学校では、中学生体験学習での経験を活かし、防災に関する学習活動に取り組みながら、地域との絆を深めていきます。
日 程 | 学校名 | 生徒数 | 教員数 |
---|---|---|---|
令和6年6月4日(火)~6月7日(金) | 佐織中学校、佐織西中学校 | 188名 | 19名 |
令和6年6月11日(火)~6月14日(金) | 永和中学校、立田中学校、八開中学校 | 164名 | 21名 |
令和6年6月18日(火)~6月21日(金) | 佐屋中学校 | 179名 | 13名 |
中学生体験学習に関する生徒アンケート
◆視察先について
◆一番良かった視察先は何ですか。
◆中学生体験学習を終えてから、防災への意識は高まりましたか。
◆中学生体験学習から帰ってから、家族で防災について話をしましたか。
◆前の質問で「話をした」と回答した方に質問です。家族で防災について話をしましたか。 (複数回答)
①中尊寺金色堂
②気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館
③石巻南浜津波復興祈念公園(3.11メモリアルネットワーク語り部)
④日本三景松島(松島復興クルーズ)
⑤ワークショップ
生徒の感想文を紹介します。
永和中学校
私は今回の修学旅行で初めて東北を訪れ、自然のあふれる素敵な場所だと感じました。しかし、震災遺構や伝承館で見た光景や映像は、今の景色からは考えられないほど悲惨なものでした。津波によって堤防が壊され、建物や車が流されていく様子を捉えた映像は、息を呑むものでした。語り部の方々のお話からは、被災での後悔や教訓、命の大切さを学びました。「命があれば何でもできる。」語り部の方々のこの言葉は特に印象的で心に残りました。
佐屋中学校
東北で、一番最初に訪れた中尊寺ではとても輝いていた金色堂、緑が太陽で照らされていた月見坂の竹が印象に残っています。金色堂はまぶしいほどに輝き、どこからみてもキラキラと光り、心が明るくなるような気持ちにさせてくれました。気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館では語り部さんの話が印象に残っています。担当の方は実際に家族を亡くされていて「一生分の涙を流した」とおっしゃられていて当時の被災者の気持ちがとても伝わってきました。なかでも、一番衝撃を受けたのは、建物の間に人が家にいるまま流され挟まったことです。声をずっとかけ続けたと聞いて、当時は全員で協力して命をつないでいたんだと心が熱くなりました。震災学習のなかで、一番心に残っているのは佐藤愛梨ちゃんのお母さんからの話です。バスがなぜ愛梨ちゃんを乗せて移動したのかはすごい疑問だったけれど、発見したとき「抱きしめてあげることも出来なかった」とおっしゃっていて、涙ぐみながら話をしてくださって心がとても苦しくなりました。震災学習で命の尊さ、当たり前の日々のありがたさを知ることができて、とても良い機会になりました。
立田中学校
私は東北に行って、地震によって起きてしまった惨状をたくさん目の当たりにしました。災害は子どもも大人も関係なく、多くの命を奪ってしまう恐ろしさを肌で感じることができました。そして、身近な人が生きていること、明日があるのが当たり前ではないことを知りました。東日本大震災は津波による被害が大きく、車も家も人もすぐに飲み込まれてしまうことが津波の映像や被災地から分かりました。震災後、自分達と変わらない年齢の子が避難している人のために働く姿を見て、「自分達も被災者側なのに、他の人のことを思いやれて凄い。」と思いました。今回の東北で一番心に残ったのは、自分の娘を亡くした方の話です。母親として子供を亡くした悲しみ、悔しさが伝わる語りで心にきました。今回の修学旅行で被災地に行けて良かったです。
八開中学校
私はこの2日間でたくさんの事を学び、その度に心を痛めました。東日本大震災で一番猛威を振るった津波の映像を観たときは、怖くてとても観ることができませんでした。でも、その後に見た目の前の東北の海はとても穏やかで、東北の各地に悲劇をもたらした同じ海だと言われても疑ってしまうほどでした。また、この悲劇の犠牲になってしまった命には、助かったはずの命があることも知りました。子どもを亡くしたお母さんが言っていた「今はいない子ども達は確かにそばにいたんだ、当たり前は当たり前ではない。」という言葉は、今の私たちの日常がどれだけ幸せな事なのかを思い知らされました。この体験学習で、いろんな人の話を聞いて、避難訓練がどれほど大切なのか、地震などが起きたらとにかく逃げること、そして、命さえあれば何とでもなることを忘れないようにしたいと思いました。
佐織中学校
私は震災のことを学んで、命はとても大切で、尊いものだと実感しました。震災の話を聞くたび、私は海から離れていれば大丈夫、と思っていましたが、決してそんなことはないと気づかされました。気仙沼市立階上中学校の卒業生の答辞を聞いて、突然、今隣にいる友達や家族がいなくなってしまうこともあると思い、今ある生活や一つ一つの経験を大切にして、生きていこうと思いました。「建物や家具はお金があれば直るけど、命は絶対戻らない」という語り部さんの言葉を心に留めていきます。
佐織西中学校
私は今回の震災学習で地震との二次被害が東北にもたらしたことにもたらしたことについて学び、考えることができました。地震は、いつ、どこで、どんな時に起きるかが予測できず、一瞬で私たちの何気ない生活を奪っていきます。地震そのものを防ぐことは不可能ですが、その被害を最小限にすることは可能です。実際に被災地を訪れ、被災した方や語り部さんのお話を聞いて地震を自分事として考えるようになりました。学校で行われている避難訓練や、防災グッズの点検を行ったり、何気ない日々に感謝しながら時間を大切に生きていきたいと思います。
お問い合わせ
愛西市役所 教育委員会 学校教育課
電話:0567-55-7136
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