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あしあと

    令和7年6月愛西市議会定例会 招集挨拶並びに所信表明

    • 更新日:2025年5月26日

     本日ここに、令和7年6月愛西市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変ご多忙の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。 


     今定例会におきまして、御審議をいただきます案件は、令和7年度一般会計補正予算案及び条例の一部改正、人事案件、専決処分の報告などでございますが、それに先立ちまして、市長再任に当たり、今後の市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

     

     私は、去る4月20日の市長選挙におきまして、市民の皆様から御信任をいただき、引き続き市長として4年間、市政運営を担わせていただくこととなりました。改めてその重責に身が引き締まる思いであります。 


     平成25年5月に市長に就任してから3期12年間、私は政治理念であります「すすめる決断」、「とどまる勇気」に基づき、市政の課題から目を背けることなく真正面から向き合い、改革を断行することで、本市の将来像であります「ひと・自然 愛があふれるまち」の実現に向けて全力で取り組んでまいりました。          

     新たな任期の4年間におきましても、この政治理念を貫き、市民の皆様からの信頼と期待にしっかりと応え、愛西市のさらなる発展に向けて、引き続き市政運営に全力で取り組んでいく所存であります。

    市民の皆様並びに議員各位におかれましては、御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。

     

     さて、本市を取り巻く状況を見ますと、我が国の景気は、緩やかに回復していますが、アメリカの通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっております。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて、個人消費に及ぼす影響なども、景気を下押しするリスクとなっています。

     

     本市の財政状況につきましては、人件費や扶助費といった義務的経費が増加を続けるなど、単年度の歳入だけでは歳出を賄うことができず、多額の基金取崩しに依存する非常に厳しい財政状況となっております。

     そのため、歳入面では、国や県の補助金などの財源確保に一層努めるとともに、市の自主財源の拡充・強化につながる取組を推進してまいります。

     また、歳出面では、各種事務事業・サービスの検証・見直しを行い、市の歳入規模に見合った持続可能で健全な行財政運営に努めてまいります。

     

     今年度は市制施行20周年の節目にあたる年であります。今日の市の礎を築いた先人の輝かしい歴史を振り返るとともに、本市のさらなる発展に向け、市民の皆様並びに議員各位の御協力の下、様々な課題に対して誠実に向き合い、創意工夫を凝らして挑戦し続けてまいります。

     

     本市の大きな魅力であり、強みは、豊かな「自然」と、心あたたかく地域の絆を大切にする「ひと」であります。これらをさらに磨き上げ、市内外にその魅力を積極的に発信し、多くの人に愛されるまちづくりを進めていかなければなりません。

     

     先月、25日には愛西市の魅力を発信する重要な拠点であり、海部地域で最大級の集客がある「道の駅ふれあいの里HASUパーク」に農産物直売所がリニューアルオープンいたしました。地元農産物や特産品、加工品などの販売を通じて、生産者と消費者の交流を生み出すとともに、市の魅力発信に積極的に取り組んでまいります。

     また、令和8年度の全面供用開始に向けて、都市公園の整備や観光拠点施設の建築を着実に進めてまいります。

     

     本市では、平成30年3月に策定しました「第2次愛西市総合計画」に掲げる「協働」「持続可能」「絆」の3つの基本理念に基づき、まちづくりを進めてまいりましたが、今年度、本計画の最終年度を迎えます。

     現在、「第3次愛西市総合計画」の策定に向け、総合計画審議会の中で検討しているところでございます。人口減少・少子高齢化や公共施設の老朽化、地域防災力の強化、物価高騰など、社会動向・経済状況の変化やSDGsへの対応などを踏まえまして、10年、20年先の愛西市を見据えた、計画の策定を行ってまいります。

     

     また、総合計画を強力に推し進めるためには、行政運営の基盤となる「行政改革」の取組が非常に重要でございます。

     今年度は令和4年3月に策定いたしました「第3次愛西市行政改革大綱」の計画期間が満了いたします。持続可能な地方自治体として、市の現状と課題をしっかりと把握し、各種事務事業やサービスの検証結果を踏まえまして、新たな行政改革大綱を策定してまいります。

     

     今回の市長選挙では、人口減少・少子高齢化や激甚災害の増加、長引く物価高騰などにより、社会的・経済的に先行きが見通せず不安を抱かれておられる市民の皆様に、私が思い描く「持続可能な愛西市」のまちづくりもお示しさせていただきました。

     これまで進めてきた取組を、さらに加速するため、私が進めるまちづくりの方向性を5つの柱により述べさせていただきます。

     

     第一の柱は「次代を担う人材豊かなまちづくり」です。

     少子高齢化が進行する中、持続可能なまちづくりを進めるためには、子育て世代に「選ばれるまち」を実現する必要があります。妊娠・出産・子育てまで切れ目のない、市独自の子育て支援を進めてまいります。

    また、次代を担う子どもたちの多様な学びを促す、より良い教育環境の整備や質の高い教育を推進してまいります。

     

     第二の柱は「安全・安心・支え合いのまちづくり」です。

     海抜ゼロメートル地帯に位置する本市にとりまして、防災・減災対策は最重要課題であります。

     いざという時の備えや治水対策などを計画的に進めるとともに、万が一の災害時には「自助・共助・公助」により、災害の被害を最小限に軽減することが不可欠です。災害時に地域で支え合うため、自主防災組織を中心とした相互連携などにより地域防災力をさらに高めてまいります。

     また、交通死亡事故ゼロを目指して、交通安全啓発運動を推進し、通学路等の安全対策に取り組んでまいります。

     

     第三の柱は「心も身体も健やかなまちづくり」です。

     健康は豊かで充実した人生を送るための基本であります。人生100年時代と言われる現在、生涯にわたって健康で生き生きと暮らすためには、健康寿命を伸ばしていくための取り組みが求められております。

     市民の皆様が、住み慣れた地域で役割と生きがいを持ち、社会参加を通じて支え合える「地域共生のまちづくり」を進めてまいります。

     また、生涯学習の推進や身近にスポーツに親しむことができる環境の充実と交流機会の創出を図ってまいります。

     

     第四の柱は「快適で活力と賑わいのあふれるまちづくり」です。

     本市の特徴的な産業の一つである「農業」の振興を図るため、地域農産物のブランド化や販路拡大に取り組んでまいります。

     また、雇用の創出、地域産業の多様化・活性化などに向けて、市内2例目となる西條工業団地の企業誘致に取り組むとともに、さらなる工業用地の創出を行ってまいります。

     観光振興におきましては、「道の駅ふれあいの里HASUパーク」を核として、市内外から訪れる方々に市の魅力や観光情報、地元農産物を積極的にPRすることなどを通じて、交流・関係人口の創出を図り、賑わいのあるまちづくりを進めてまいります。

     

     第五の柱は「継承・発展のまちづくり」です。

     本市には、国の重要文化財にも指定されている船頭平閘門をはじめ、織田信長の生誕地として知られる勝幡城址などがあり、自然と歴史、文化が調和した魅力的な地域でございます。

     こうした豊かな歴史・文化を次世代に継承するとともに、市の魅力的な地域資源を発掘・磨き上げ、戦略的に情報発信することにより、交流・関係人口の創出を図ってまいります。

     折よく、2026年に開催されるアジア競技大会では、長良川国際レガッタコースにおいてローイング競技が開催される予定でありますので、「レガッタのまち」としても国内外にPRしてまいります。

     また、持続可能な地方自治体としての役割と責任を果たすためには、市の規模に見合った健全な行財政運営が必要でありますので、不断の行政改革に取り組んでまいります。行政改革に当たりましては、職員の長時間労働の是正や柔軟な働き方ができる環境整備も進めることにより、業務の効率化や能力開発に努めてまいります。

     

     以上、私が今後進めていくまちづくりの方向性を5つの柱により述べさせていただきました。

     

     市制20周年を迎えた今、私たちはこれまで多くの方々の知恵とたゆみない努力によって築き上げられてきた、市の歴史や文化に深く敬意を表し、さらなる発展に向けて新たな一歩を踏み出していかなければなりません。

     予測を上回る人口減少や新たに生じる課題への対応、また、4町村が合併して20年が経過しても依然として抱える課題には、過去の経過などを再確認し、目を背けることなく知恵を出し合い、創意工夫を凝らして解決へと導き、責任ある未来づくりを進めるためには、市民の皆様並びに議員各位の一層のお力添えが必要でございます。

     

     これからの4年間も、政治理念であります「すすめる決断」、「とどまる勇気」を貫き、先頭に立って、「持続可能な愛西市」の実現のため、各種施策の取組をさらに加速させ、全力で市政運営に当たってまいりますので、重ねて市民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

     

     それでは、今定例会に御提案しております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げます。

     補正予算につきましては、一般会計5億2,063万3千円、特別会計147万4千円、合計5億2,210万7千円を増額補正するものです。

     令和7年度当初予算につきましては、前年度からの継続事業や法定受託事務等を中心とした予算編成でお認めをいただいておりますので、今回の補正予算には一部、新規事業が含まれております。

     

     なお、補正予算につきましては、第1号と第2号に分かれておりまして、はじめに、一般会計補正予算(第1号)でございます。

     定額減税不足給付金事業については、昨年度実施した給付金において、本来給付すべき所要額と差額が生じている方に対しまして、その差額を支給等するものであります。

     次に、道の駅周辺整備工事について、物価上昇及び労務費等の高騰並びに一部工事の施工方法の変更に伴い、補正を計上するものであります。

     なお、これらの議案は速やかな事業実施が必要でありますので、御審議のうえ、早期の御議決を賜りますようお願いいたします。

     

     次に、一般会計補正予算(第2号)でございます。

     地盤沈下が起こっている愛西市総合斎苑における、ロータリー部分等の改修工事や、永和中学校屋内運動場の老朽化対策に向けた基本計画等の策定に係る予算などを計上しております。

     

     次に、補正予算案以外の議案でございます。

     今回ご提案しております案件は、条例の一部改正2件、専決処分の報告3件、人事案件2件、その他の議案4件の計11件でございます。

     主な案件につきまして、ご説明いたします。

     愛西市税条例の一部改正については、市民税所得控除の対象となる特定親族特別控除が創設されることに伴い、所要の規定を定めるものなどであります。

     次に、愛西市消防団員等公務災害補償条例の一部改正については、非常勤消防団員等に係る損害補償の額の算定の基礎となる、補償基準額及び扶養に係る補償基礎額の加算額について改正を行うものであります。

     次に、契約の締結については、はしご自動車及び高規格救急自動車の購入に係るものでございます。

     最後に人事案件でございますが、公平委員会並びに教育委員会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者を選任するものでございます。

     

     以上、今定例会に提案しております議案の主な内容について述べさせていただきました。各議案とも十分な御審議のうえ、適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。

     

     今後とも「持続可能な愛西市」を実現するため、市民の皆様並びに議員各位のより一層のお力添えをお願いいたしまして、招集挨拶並びに所信表明といたします。

     

       令和7年5月26日    

                                  愛 西 市 長  日 永 貴 章

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